NHKの連続テレビ小説で話題の「あまちゃん」のロケ地は、岩手県の太平洋側にある久慈市だ。東日本大震災で大きな被害を受けた久慈市は復興プロジェクトの一環で、小中学校を中心に電力見える化システムや太陽光発電システムを導入して、災害に強いスマードグリッドの構築を進めている。
岩手県の北東部にある久慈市は、人口4万人弱の太平洋に面した小都市である(図1)。「北限の海女」で知られる小袖海岸が有名で、最近はNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地としても注目を集めている。その久慈市が震災からの復興に取り組む中で、自立分散型のスマートグリッドの構築を推進中だ。
市内の小中学校のうち3校に太陽光発電システムを導入する一方、全24校と市の6公共施設に電力の見える化システムを展開している。各施設に電力の計測機器を設置して、1時間ごとの使用量を市のウェブサイトから確認できるようにした(図2)。
さらに生徒や市民の節電意識を高めるために、趣向を凝らした画面設計を取り入れている(図3)。施設ごとに設定した節電目標の達成度に応じて、画面に表示する花壇の花の量を5段階に変化させるほか、四季によって花の種類を変えるようにした。電力使用量の現在の状況はリスの走っている姿と汗の量で表現するなど、子供がゲーム感覚で楽しめるように見せ方を工夫している。
単に使用量を見える化するだけではなく、あらかじめ設定した使用量に近づいた場合には関係者に警報メールを送る機能もある。久慈市は導入効果を見ながら、太陽光発電システムや蓄電システムの追加導入も検討していく。
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