「ヒツジ」にお任せ、整地せずに太陽光で16.8MWを実現自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2013年10月10日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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兵庫県内でも最大規模

 今回の計画は規模の面でも目を引く。2012年5月時点の計画ではショートコースのゴルフ場18ホールのうち、12ホール分の土地(約15万m2)に約30億円を投じ、出力約9.8MW(年間約9537MWh)を得る予定だった。最新の計画では残り6ホールの敷地を第2期として追加する。合計で約45億円を投じ、約22万m2の敷地に出力約16.8MW(第2期工事分は約5.8MW)の発電所が完成する形に変わった(図3)。

図3 ニッケまちなか発電所明石土山の第1期工事部分の遠景。出典:日本毛織

 2012年にゴルフコースを閉鎖して工事に着手、2013年10月に第1期分が完成、2014年1月末には第2期分の工事も完了する予定だ。設計・調達・建設(EPC)を担当した事業者は非公開。

 太陽電池モジュールを5万4852枚(第2期分は1万8068枚)設置する。「完成後の管理・運営(O&M)はグループ企業が担当する。ニッケ不動産がヒツジの飼育とクラブハウスの維持管理を担い、ニッケ機械製作所が電力関連を管理する」(同社)。

 年間想定発電量の実数値は公開していない。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を関西電力に売電する。売電単価は1kWh当たり42円(税込)。

 日本毛織はこれまでも自社やグループ企業の建物の屋根に自家消費用の太陽光発電システムを導入してきた。事業所や工場、介護施設などである。ほとんどの事例では出力50kW未満だが、最大のものは500kWに達していた。今回の計画は過去最大の規模となった。今後は自社やグループ企業の所有地の有効活用の方策の1つとして太陽光発電を引き続き導入していくという。

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