電気事業法の改正案が成立、2014年1月にも改革がスタート法制度・規制

6月の通常国会で否決された電気事業法の改正案が、11月13日の参議院の本会議で賛成202票・反対29票で可決した。法改正を受けて2014年1月にも電力システム改革の第1段階が始まる。法律の附則に規定したスケジュールの通りに進めば、2020年までに小売全面自由化と発送電分離が完了する。

» 2013年11月13日 21時13分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 「電気事業法の一部を改正する法律案」が第185回国会で審議・投票の結果、衆議院で11月1日、参議院で11月13日に、それぞれ賛成多数で可決・成立した。この改正案とは異なる「電力自由化推進法案」を提出したみんなの党と、改正案の効果を疑問視する日本共産党は反対した。

 成立した改正案の大部分は、電力システム改革の第1段階を担う「広域的運営推進機関」の設立・運営方法に関する項目が占めている。この推進機関の目的を法案の中では以下のように規定した。

 さらに推進機関を構成する会員(電気事業者)の資格や義務、設立までの手続き、運営方法や業務内容などを具体的に定めた。監督官庁の経済産業省が策定したスケジュールの素案によると、2014年1月にも設立準備のための組合を発足して、7〜8月には創立総会を開く予定だ。業務の開始は2015年4月を想定している。

2014年から7年間で改革を果たす

 改正案のもうひとつの重要なポイントが、改革の第2段階と第3段階に関する規定だ。電気事業法の附則の中に、以下の内容が盛り込まれた。1つ目が「小売全面自由化」の実施時期、2つ目は難解な表現を使っているが「発送電分離」の実施時期を定めたものである。

 発送電分離と同時に小売料金も全面的に自由化して、電力会社以外の電気事業者が家庭を含むすべての需要家に電力を販売できる(小売全面自由化)だけではなく、料金も自由に設定できるようにして競争を促す考えだ。

 まさに2014年を「電力システム改革元年」として、2020年までの7年間で日本の電力市場を抜本的に作り変えていくことになる。

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