早くも自給率70%、長野県が再生可能エネルギーを2013年度に倍増スマートシティ

再生可能エネルギーの拡大と電力使用量の削減を推進する長野県で2013年度のエネルギー自給率が69.8%に達し、前年度から3.4ポイント高くなった。太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入量が2倍以上に拡大したことで、猛暑による最大電力需要の増加を大幅に上回った。

» 2014年09月25日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 長野県は「しあわせ信州創造プラン」を2013〜2017年度の5カ年計画で実施中だ。その一環で地域のエネルギー供給体制を強化するために自給率の向上に取り組んでいる。年間の最大電力需要に対して70%を再生可能エネルギーで供給できるようにすることを目標に掲げているが、県が集計した暫定値では初年度の2013年度に早くも69.8%に達した(図1)。 

図1 長野県のエネルギー自給率の目標と実績。出典:長野県環境部

 2012年度と比べて再生可能エネルギーによる発電設備が23.4万kWも増加したためで、わずか1年間に2倍以上の規模に拡大している。2011年度までに運転を開始した既存の水力発電を加えると206.4万kWに達して、最大電力需要の295.5万kWのうち7割を地域の再生可能エネルギーで供給できる体制になった。

 2013年度は夏の猛暑の影響により、最大電力需要は2012年度から20万kWも増えて震災前の2010年度と同じ水準に戻っていた(図2)。それでも県内の発電設備が増加したことで、再生可能エネルギーによる自給率は2012年度から3.4ポイント、2010年度と比べると11.2ポイントも高くなった。

図2 長野県の最大電力需要と再生可能エネルギー発電設備容量の内訳。出典:長野県環境部

 再生可能エネルギーの種別に見ると、太陽光発電が累計で43万kWになり、2012年度末の19万kWから2倍以上の規模に拡大したことが大きい。さらに長野県が全国で第1位の導入量を誇る小水力発電は267kWから662kWへ2.5倍に、バイオマス・廃棄物発電も5755kWから7505kWへ増加した。この勢いは2014年度も続き、自給率が70%を突破するのは確実だ。

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