防犯灯1万2000灯をLEDに、初期投資ゼロで年間2000万円のコスト削減LED照明

人口17万人を抱える神奈川県の秦野市が市内の防犯灯を全面的にLED照明へ切り替える。初期投資が不要なESCO方式で事業者と契約を結んで、2015年4月から1万2000カ所で運用を開始する計画だ。10年間の契約には維持管理も含み、従来と比べて年間に約2000万円のコストを削減できる。

» 2015年02月12日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 秦野市(はだのし)は神奈川県の中西部に位置する人口17万人の中都市で、面積は県内の19市の中で5番目に広い(図1)。市内には防犯協会が設置した防犯灯が1万2926カ所にあり、そのうち804灯をLED照明に変更済みだ。残りの1万2122灯も2015年4月にすべてLED照明へ切り替える。

図1 秦野市の位置。出典:秦野市市長室

 1万灯を超える大量のLED照明を導入するために、初期投資が不要なESCO(Energy Service Company)方式を採用した。ESCO方式はリース契約などを組み合わせて、事業者が資金調達から建設・運営までを一括で請け負う仕組みである。利用者は定額の使用料を払うだけでサービスを受けることができる。

図2 「シェアード・セイビングス」方式の事業スキーム。出典:日本ファシリティ・ソリューション

 秦野市は公募の結果、日本ファシリティ・ソリューション(JFS)を事業者に選定して、2015年4月から10年間の契約を結んだ。契約の総額は3億2346万円で、LED防犯灯の付け替えと維持管理、さらに年間50灯程度の新設や省エネ効果の検証も含む。2013年度のコストと比べて年間に約2000万円を削減できる見込みだ。防犯灯は消費電力が20W〜80Wまでのタイプがある。

 JFSは東京電力や三菱商事など4社が2000年に設立したエネルギー管理の専門会社である。「シェアード・セイビングス」と呼ぶ初期投資が不要なESCOサービスを中核に事業を展開している(図2)。秦野市と結んだ契約もシェアード・セイビングス方式である。

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