太陽エネルギーでラジオ番組を生放送、「みどりの日」に電力を自給自足スマートハウス

スマートハウスの屋根に搭載した太陽光パネルの電力だけを使って、5月4日の夜に2時間のラジオ番組を生放送する。日本初の試みで、昼間に太陽光で発電した電力を電気自動車に貯めて利用する。シンガーソングライターの山崎まさよし氏によるライブ演奏もリビングルームから放送する予定だ。

» 2015年05月01日 15時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 太陽エネルギーを使ってラジオ番組を生放送する場所は、千葉県の印西市(いんざいし)に建つ1棟のスマートハウスだ(図1)。番組スポンサーの積水化学工業が建設したスマートハウスで、出力が10kW(キロワット)以上の太陽光パネルを搭載している。さらに発電した電力を電気自動車に供給するためのパワーコンディショナーも備える(図1)。

図1 ラジオ番組の生放送に利用するスマートハウスのイメージ。出典:積水化学工業

 このスマートハウスで太陽光による電力だけを使って、5月4日の18時から約2時間にわたって生放送を実施する企画だ。放送局はJ-WAVEである。当日は「みどりの日」の祝日で、環境に優しいグリーンエネルギーを利用したイベントにふさわしい日として選んだ。

ナビゲーターの山崎まさよし氏。出典:積水化学工業

 スマートハウスの中ではホームパーティを開いて、料理も太陽光の電力で作る。パーティの最後はリビングルームでライブ演奏を予定している。

 番組のナビゲータを務めるシンガーソングライターの山崎まさよし氏(写真)のほか、ロックバンドの「TRICERATOPS」でボーカルとギターを担当する和田唱氏が参加する。

 昼間に太陽光で発電した電力は電気自動車に充電しておく。「日産リーフ」を使えば最大で24kWh(キロワット時)の電力を貯めることができる。一般家庭の使用量(1日あたり10kWh)に換算すると2.4日分に相当する。生放送中に電気自動車からスマートハウスに電力を送って、照明や調理のほか、ラジオ放送やライブ演奏で使う電気機器でも利用する試みだ(図2)。

図2 太陽光発電と電気自動車を組み合わせた電力供給システム「V to Heim」。出典:積水化学工業

 印西市がある千葉県の北西部では、5月4日の天気は「曇時々晴」の予報が出ている。昼間に3時間ほど晴れれば、電気自動車のバッテリーにフルに充電できる見込みだ。電力の消費状況はHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)で監視しながら、放送中にレポートする。生放送を楽しみにしているリスナーのためにも当日の晴天を祈りたい。

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