燃料電池車の認知度は1.5倍に、次世代自動車の購入意欲が高まる電気自動車(2/2 ページ)

» 2015年07月01日 18時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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燃料電池車の認知度は急上昇

 次世代車の中でもHVとEVの認知度は突出して高い水準にある。「あなたは以下の次世代車を知っていますか?」という質問に対し「とてもよく知っている」「知っている」と答えた人は前年比より減ったが、HVが78%、先述したEVが75%で群を抜いている。その一方でこの2車種よりは大幅に認知度に差があるものの、他の次世代車の認知度は2014年比で上昇傾向にあるという結果となった(図2)。

図2 次世代車の認知度に関する調査結果 出典:DTC

 PHVは前年比7ポイント増の51%、CDは同7ポイント増の47%となった。中でも特に認知度を伸ばしたのがFCVだ。今回の調査では最も伸び幅が大きい同12ポイント増の36%となっている。初の量産型FCVとなるトヨタ自動車の「MIRAI(ミライ)」の発売や、多くの自治体や企業の水素関連の取り組みが目立ったことが影響したとみられる。

購入検討意欲は全ての次世代車で上昇

 購入検討意欲については、全ての次世代車で上昇するという結果となった。自動車の買換えや新規購入の際に次世代車を購入したいかという質問に対して、肯定的に答えたユーザーは全車種において2014年比で2〜5ポイントの幅で上昇している(図4)。最も高い結果となったのはHVだ。

図3 次世代車の購入検討意欲に関する調査結果 出典:DTC

 DTCはこの結果について、次世代車のラインアップ拡大や価格低減が購入検討意向を上昇させたと推測している。また自動車メーカーの次世代車に関する価格低減への取り組みやプロモーション活動、さらに政府自治体およびインフラ事業者なども含めたステークホルダーのさまざまな取り組みによる認知度の向上も影響したとしている。

 とはいえこの調査結果は、購入について肯定的に答えた人の割合は多くの次世代車でまだ10〜20%代にとどまっているとも読み取れる。EVやPHV用の充電インフラの整備は進んでいるものの、FCVの普及に不可欠な水素ステーションの設置数は大幅に遅れている状況だ。消費者の利便性の観点からも、次世代車の普及に向けては引き続きインフラ整備に注力する必要があるだろう。

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