停電時でも実は余っている電力がある、余剰電力でBCPを強化できる新サービス蓄電・発電機器(1/2 ページ)

東日本大震災以降、災害や事故などの不測の事態に備えた「事業継続計画(BCP)」が重要視されている。日立製作所と三井不動産はこうしたBCP対策の強化に有効な、非常用発電機の余剰電力を有効活用できる電力供給自動制御システムを開発。2015年7月15日より販売する。

» 2015年07月17日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 日立製作所(以下、日立)と三井不動産は2015年7月15日、停電時などに非常用発電機が生み出す余剰電力を有効活用できる電力供給自動制御システム「TRAMSBOARD(トラムスボード)」を共同開発し、同日より日立の製品として発売すると発表した。

 停電時などに稼働する非常用発電機が生み出す電力には2種類ある。1つが保安用照明や保安用空調機の電力となる「保安用電力」。もう1つがスプリンクラーや消火ポンプの電力となる「防災用電力」だ。しかし火災を伴わない停電の場合、スプリンクラーや消火ポンプを稼働させる必要はないため、防災用電力が余剰電力となってしまう。日立によればこの場合、非常用発電機の発電力容量のうち、約50〜60%が余剰電力になるという(図1)。

図1 防災用電力の活用イメージ 出典:日立製作所

 日立と三井不動産が開発したトラムスボードは、この防災用電力に注目した製品だ。同製品を導入することで、火災を伴わない停電時に防災用電力を企業などが入居する建物の執務空間や、防災対策室などにも供給可能にする。非常用発電機の発電能力を最大限に活用可能することで、建物および企業のBCP対策の強化に貢献するという。

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