2016年4月の電力小売全面自由化に向け大手の参入発表が相次いでいる。新たにコンビニ大手のローソンが三菱商事と共同で電力小売事業に参入することを発表した。また、既に参入を表明していたソフトバンクは電力サービス事業を「ソフトバンクでんき」のブランドで展開することを表明した。電力小売事業は「一般向け顧客販売力」を持つ企業の乱戦の状況となってきている。
2015年12月25日に新たに参入を発表したローソンは、三菱商事と共同事業会社「MCリテールエナジー株式会社(仮)」を設立。2016年4月からの電力小売りの全面自由化に向け、家庭向け電力小売り事業に参入する。経済産業省資源エネルギー庁へ小売電気事業者の登録申請を行っており、認定され次第、小売電気事業者としての活動を開始する。
首都圏を中心に2016年2月から予約受付開始。同年4月から電力供給開始を計画する。コンビニエンスストア事業者が、家庭向け電力小売事業に参入するのは業界初となるという。
新会社では「まちエネ」(商標出願中)として関東圏で電力サービスを提供(図1)。関東圏に約4000店舗を有するローソンの店頭やネットワークを通じて、サービスの告知を図っていく。また、選びやすい独自の料金プランや電気使用料に応じてPontaポイントが貯まる特典なども検討していくとしている。
一方、既に東京電力と組んで電力小売事業を行うことを表明していたソフトバンクは、電力関連サービスのブランドとして「ソフトバンクでんき」を採用することを発表した(関連記事)(図2)。料金プランなどサービスの詳細については2016年1月に発表するとしている。
携帯電話キャリア事業者では、既にKDDIが、携帯電話と同じ「au」ブランドを電力関連サービスに採用した「auでんき」ブランドでの展開を表明しており、「ソフトバンク」と「au」が携帯電話から電力小売りに舞台を変えて競い合うことになる(関連記事)。
電力小売り事業には、「一般向けの顧客販売力」が成功の大きな要因になると考えられており、豊富なリアル店舗を持つコンビニエンスストア事業者や携帯電話事業者などは、有力な新規参入事業者になると見られている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.