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» 2016年01月14日 07時00分 公開

電気料金の新プラン検証シリーズ(8):1000万の顧客を守れ、独自ポイントで勝負する中部電力 (3/3)

[陰山遼将,スマートジャパン]
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広告配信サービスや会計のお手伝いサービスも提供

 2016年4月に向けた顧客確保の戦略として、電気料金そのものの価格を下げるだけでなく、生活をサポートするサービスなどを付加価値として加えるケースも増えてきた。中部電力でもこうしたサービス提供に注力していく方針で、今回の発表では電力とセットで提供する3つのサービスを発表している(図6)。

 1つ目はハウスクリーニング代行などを手掛けるe-暮らしとの提携サービスである「暮らしサポートセット」だ。「キッチンの水が漏れた」「鍵を無くしてしまった」といったトラブル時にサポートを受けられるサービスで、ポイントプラン、おとくプラン、とくとくプランの加入者を対象に月額300円で提供する。

 残りの2つは、ビジネス向けのサービスとなる。1つが凸版印刷との提携サービスである「集客お手伝いセット」だ。商売を手掛けるユーザー向けに、広告配信サービスをセットで提供する。もう1つが「会計お手伝いセット」で、マネーフォワードと提携して会計業務に利用できるクラウド型会計ソフトを提供する。この2つのサービスの利用料金は、それぞれ月額2000円だ。

図6 電力とセットで提供する3つのサービス(クリックで拡大)出典:中部電力

東京電力とどっちが安い?

 中部電力より先に新料金プランを発表した東京電力は、中部地域向けの電力料金も発表している。2社の新料金プランを比較してみると、ほぼポイントのみの割引となる中部電力のポイントプランと、東京電力のスタンダードSプランは基本料金、300kWh以降の料金が同額だ(図7)。中部電力は東京電力の中部地域向け料金と競合できる価格を設定したといっていいだろう。

図7 東京電力の中部地域向けの料金プラン(クリックで拡大)出典:東京電力

 しかし料金そのものの差はほとんどない。そのため使用電力量の少ない顧客については、どちらのポイントサービスを利用したいか、もしくは両社が提携先と提供するセットサービスの内容のどれが自分に適しているかといった点が乗り換えの選択基準になる。

 より電気使用量の多い家庭に向けたプランの場合は、契約電流や月の使用電力量によって中部電力のほうが数%安くなるケースもある。しかし、東京電力は使用電力量が多い家庭に向けたプランでは、30分ごとの電力使用量で基本料金を決めるスマート契約という方式を導入しており、一概に単純な価格面だけでどちらが有利とはいえない。やはりセットサービスのメリットがどれだけユーザーに響くかどうかが大きなポイントになりそうだ。

 中部電力が現在抱えている顧客数は東京電力と関西電力に次ぐ約1000万強。この顧客をめぐって中部地域では東京電力の他、都市ガスなどを始め多くの企業が小売電力事業に参入してくる見込みだ。顧客確保に向けた競争は首都圏と同様に激しくなる。中部電力が新料金プランを発表したことで、今後、新規参入企業がどういった戦略を打ち出してくるかに注目だ。

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