原発再稼働を待つ電力会社、新規参入組の低価格プランに挑む「最初の一手」電気料金の新プラン検証シリーズ(12)(3/4 ページ)

» 2016年01月21日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

地域密着型のポイントサービスに注力する中国電力

 中国電力が発表した新料金プランの名称は「ぐっとずっと。プラン」。この中にライフスタイルに合わせて選べる4種類のメニューを用意している(図4)。スタンダードなプランでは電力使用量が多くない家庭でも年間1%程度安くなる「スマートコース」、400kWhを超える家庭向けで、最大5%ほど安くなる「シンプルコース」を用意した。その他の2つは夜間と休日が安い「ナイトホリデーコース」と、オール電化住宅だとお得な「電化Styleコース」だ。

図4 中国電力の新料金プランのすみ分け(クリックで拡大)出典:中国電力

 全体的に使用電力量が多い家庭ほどお得になる傾向にあり、料金プランとしては目立った特徴があるわけではない。しかし中国電力で注目なのが、新料金プランとともに展開する地域密着型の独自ポイントサービス「エネルギアポイント」だ。

 エネルギアポイントは電気料金200円につき1ポイントがたまる。その他にクイズへの回答やイベントへの参加、アンケートへの回答などでも付与される。たまったポイントは地域の特産品、商品券、地元スーパーなど提携先ポイントに交換できる。ここまでは他社でも見られるサービスだが、特徴的なのが「コラボレーションメニュー」だ(図5)。

 これは中国地域に根差した企業との提携するサービスで、たまったポイントを提携企の商品やサービスと交換できる。現時点で6種類の提携企業を発表しており、プロ野球チームの広島東洋カープとも提携する(関連記事)。これは「カープ応援メニュー」としてプロ野球公式戦におけるカープの勝利や年間成績に応じてさらにポイントがたまるサービスだ。ポイントを観戦チケットやグッズと交換することもできる。“地域密着”を積極的に打ち出して、既存顧客の引きとめを図っていく狙いだ。

図5 現在発表している提携先の6社(クリックで拡大)出典:中国電力

休日が安い四国電力

 四国電力が発表した新料金プランは6種類。このうち一般家庭向けのプランは3種類で、その1つが休日の料金を安くした「ホリデーeプラン」だ。平日にあまり電力を使用せず、休日の使用量が多い家庭に向けたプランとなる。月の平均電力使用量が450kWhで、休日のご使用率が高い家庭の場合、年間約4800円安くなるという。残りはオール電化住宅向けのプランで、電力使用量が300kWhと平均的な家庭の場合で年間6万9600円安くなる計算だ。なお、従来電灯プランも引き続き提供していく。

図6 「ホリデーeプラン」の概要(クリックで拡大)出典:四国電力

 四国電力ではこうした新料金プランの展開に合わせて、2016年4月からポイントサービス「よんでんポイント」を開始する。同社の会員制Webサービス「よんでんコンシェルジュ」の加入者を対象としたサービスで、入会、電気使用量の確認、コラムの閲覧などでポイントがたまる仕組みだ。ためたポイントは四国の特産品や、商品の抽選などに充てられる。

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