エスロヒートは下水の温度特性を活用したシステムだ。下水温度は外気と比べ、年間を通じて15〜25度と温度が安定しており、さらに冬は暖かく、夏は冷たいという特性がある。この特性によって、気温が冷え込む冬季でもバスターミナルの地下を流れる下水から融雪に必要な熱を回収できるという仕組みだ(図3)。
では実際に歩道の雪を溶かすことができたのか。エスロヒート設置後の2016年1月に実証を行った結果、融雪システムを整備した歩道部分だけが融雪されていることを確認したという(図4)。
積水化学工業では今回の導入とは別に、エスロヒートを活用した融雪に関して、国土交通省の平成28年度(2016年度)B-DASH予備調査事業「下水熱を利用した道路融雪技術の調査研究事業」に、興和、新潟市の3者共同で応募。2016年4月5日に採択が決定した。
この事業では、下水熱であたためた循環水をポンプで融雪パネルに送るシステムを用い、高熱伝導材を使用した場合の車道融雪への適用条件をシミュレーションで確認する。管理者が異なる道路と下水の連携体制などの整理を行う予定だ。
日本初の下水熱利用、さらに性能高める東京
下水は冬でも“温かい”、熱を取り出し工場へ供給する全国初の官民共同研究
下水再生水の熱を給湯と空調に、ショッピングモールで7%の省エネ効果Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10