今回住友電工グループが委託を受けたのは、米国大手電力会社であるSan Diego Gas and Electric(以下、SDG&E社)を実証パートナーとして行う、米国最大規模となるレドックスフロー電池を用いた蓄電システムの実証事業である。
米国カリフォルニア州は、高い再生可能エネルギー導入目標(2020年に33%)を掲げおり、太陽光発電の増加による朝夕の急激な需要変動や電力品質劣化の問題が顕在化している。州法「AB2514」で系統におけるエネルギー貯蔵システムの導入目標が義務化されており、大規模な系統用蓄電池導入が電力会社には求められている。レドックスフロー電池は、このような問題の有力な解決手段の1つとして期待されているという(図3)。
今回の実証事業では、SDG&E社変電所内に住友電工製レドックスフロー電池(2メガワットx4時間)を設置。送電・配電併用運転による経済価値向上について検討する。2016年秋から配電網において実証運転を開始し、多用途利用による検証を行う。さらに送電網へ接続しアンシラリーサービス(周波数や電圧の制御、緊急用の予備電力確保といった電力サービス)の提供による、経済価値向上などについても検討する。
住友電工グループでは、レドックスフロー電池の有用性を実証することにより、米国市場における活用促進を図る方針を示している。
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