ZEHは現在は大手ハウスメーカーが中心となって展開を進めている。しかし、政府が「2020年に標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指す」という方針を示していることもあり(関連記事)、「今後は裾野が拡大すると見ている。地方の工務店などでも取り組みを進めるようになる。市場が拡大する中で、建材と太陽光発電を組み合わせて提案できる独自のポジションは強みになる」と池上氏は強調する。
これら、ZEHへの取り組みの中で、それぞれの製品でも特徴を打ち出す。例えば、カネカは一般的な多結晶シリコン型に加えて、薄膜シリコン型のハイブリッド太陽光発電システムを展開。薄膜型は、変換効率は多結晶型にはかなわないが、薄くて軽量でさらに、光の反射などを抑えられるという特徴がある。これにより、多結晶型と薄膜型を組み合わせて、屋根の形状や条件に合わせて、重さを抑えるなら薄膜というように、屋根当たりで発電量を最大化することが可能となる(図2)。
さらに、断熱効果の高い軽量な断熱材を用いることで屋根に多くの太陽光発電設備を載せることができ、発電量増と省エネを同時に実現し、ZEH化するというような提案が可能となる。
池上氏は「市場環境は変化しているが、建材とソーラーを同時に扱っているカネカにとってこの流れはチャンスだ。カネカの中でもソーラーや蓄電池、建材などはそれぞれ違う部門で取り扱っているが、現在の流れに向けて、組織横ぐしのプロジェクトチームを作って、チャンスをつかみたいと考えている」と述べている。
連載:「変転する太陽光発電市場」
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