東電がガス小売へ登録申請、関電に続いて2社目:電力供給サービス
東京電力エナジーパートナーは、2017年4月から実施されるガス小売り事業の全面自由化に向け、ガス小売事業の登録申請を行った。ガス小売への参入を表明した企業は関西電力に続いて2社目。
東京電力グループで小売りを担う東京電力エナジーパートナーは、2016年8月31日に経済産業大臣へガス小売事業の登録申請を行ったことを発表した。2017年4月1日にガス小売り全面自由化が行われるのに際し、家庭向けのガス小売りを含めた展開を検討する。
2017年4月1日に始まる都市ガスの小売全面自由化に向けて、従来は政府の認可が必要だった家庭向けの都市ガスの小売事業が登録制に変更された(図1)。経済産業省では2016年8月1日にガス小売事業者の登録申請の受付を開始。初日に関西電力が登録申請を行ったが、今回新たに東京電力が登録申請を行った。
図1 都市ガスの小売全面自由化に伴う事業区分の変更 出典:資源エネルギー庁
東京電力グループは、2015年度(2016年3月期)で約2300万トンという国内最大級のLNG調達量を持ち、ガス導管なども保有している。これらを背景に10年後には2015年度のガス販売量(約134万トン)と比較して、1.7倍以上に拡大する目標を示しており、ガス事業の積極的な拡大に取り組む方針だ。
- ガス小売事業者の登録申請が始まる、関西電力が早くも名乗り
電力に続いて都市ガスの小売全面自由化が目前に迫ってきた。政府は自由化に先立って8月1日からガス小売事業者の登録申請を受付開始した。いち早く申請を出したのは関西電力で、電力と都市ガスのセット販売に備える。一方で都市ガスの大手5社は自由化後に適用する託送料金の認可を申請した。
- ガス事業拡大に踏み出す東京電力、24万トンを独占供給
電力の小売全面自由化が始まったばかりだが、1年後に控える都市ガス自由化を見据えた動きも進んできた。東京電力は2017年4月から日本瓦斯と同社グループ企業の3社が販売する都市ガスの全量を供給する。さらに都市ガス自由化に向けたアライアンス協議も開始する。
- 電力・ガス・電話のメガ競争が始まり、電気料金は確実に安くなる
いよいよ電力の小売事業が4月1日から全面的に自由になる。全国で7.5兆円にのぼる家庭の電力市場に向けて、ガス会社を筆頭に有力企業が続々と乗り出してくる。携帯電話やインターネットサービスと組み合わせたセット割引も始まり、電力会社と新規参入事業者の競争が各地域へ広がっていく。
- 似て非なる電力とガスの小売自由化、市場開放の共通点と相違点
電力に続くガスの小売全面自由化が2017年4月に始まる。全国に3000万の需要家を抱える都市ガスの市場開放に向けて電力会社の動きも活発になってきた。政府は電力と同様に料金規制の撤廃や託送供給の拡大を推進するが、都市ガスならではの同時同量制度や導管の運用ルールに課題が残る。
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