星野リゾートは1999年からホテル運営におけるゼロ・エミッション達成に向けた取り組みを進めている。このほど同社の軽井沢事業所におけるホテル業界初のゼロ・エミッション達成と、その4年以上の継続が評価され、環境省から「平成28年度循環型社会推進功労者環境大臣表彰」を受賞した。
国内外でリゾート運営を行う星野リゾート(長野県軽井沢町)の軽井沢事業所は、このほど、ホテル業界初のゼロ・エミッション達成と4年以上の継続が評価され、環境省から「平成28年度循環型社会推進功労者環境大臣表彰」を受賞した。
軽井沢事業所では、ゼロ・エミッション(運営によって生じる廃棄物の単純焼却・埋立てごみゼロ=リサイクル率100%)の達成のため、1999年に「ゼロ委員会」を立ち上げ活動を始めた。その活動の結果、多品種の廃棄物が日々排出されるホテルでは難しいとされてきたゼロ・エミッションを、2011年11月に達成した。ゼロ・エミッションを推進するゼロ委員会は、全部署から選出された「ゼロ委員」から構成され、事業所全体を巻き込みプロジェクトを推進している。また、ゼロ・エミッションに必須である正確な分別が間違いなく行われているかを確認する「資源ステーションチェック」は、ゼロ委員が先導し、全部署から募ったメンバーで定期的に行うなど全従業員が取り組んだ(図1)。
その後、2016年10月現在も廃棄物の29種分別、宴会料理の当日選択制の導入、生ごみの全量堆肥化などでゼロ・エミッションを維持している。宴会料理の当日選択制は、披露宴参列者が着席してからメニューを選べるプラン。好みのメニューを選べることで顧客満足度が向上し、同時に生ゴミが16%削減された。排出された生ゴミは、近隣の牧場へ運び全て堆肥化し、農場で使用している。これらの継続的な活動を評価され、同賞を受賞した(同賞を受賞したのは、同社を含め19団体)という。
その他、星のや軽井沢は自家水力発電と地中熱利用設備を導入しており、使用するエネルギーの約72%を自給している。これにより、二酸化炭素を始めとする地球温暖化ガスの排出削減を実現した。今後は、星のや軽井沢を始めとする軽井沢事業所が、星野リゾート全施設の環境に配慮した取り組みをけん引していく考えだ。
星野リゾートは、ラグジュアリーブランド「星のや」、温泉旅館ブランド「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」の3つのブランドを中心に、国内外で36施設を運営する。今回表彰を受けた軽井沢事業所には星のや軽井沢・軽井沢ホテルブレストンコート・星野温泉 トンボの湯・村民食堂・ピッキオの計5施設がある。
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