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» 2016年12月06日 11時00分 公開

2017年度の買取価格が大筋で決まる、太陽光発電は2円の引き下げ案が有力自然エネルギー(3/3 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
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風力〜バイオマスは2019年度まで一括に

 太陽光発電と同様に風力発電の買取価格も2017〜2019年度の3年間に低減させる。固定価格買取制度の改正によって、風力・中小水力・地熱・バイオマス発電の買取価格は3年分を一括で決定する方式に変わる。このうち風力発電の買取価格は3年間かけて引き下げていく。

 政府の長期目標では風力発電のコストを2030年までに8〜9円まで低下させて、固定価格買取制度の対象から除外する。そのためには買取価格を10円以下に引き下げていく必要がある。現在の買取価格は22円(出力20kW以上の場合)で、3年後の2019年度には18円前後が目標になる。

 直近の風力発電の資本費と運転維持費を見ると、従来の想定値を上回っている。このうち資本費は2019年までに低下する見込みだが、運転維持費は1.5倍の高い水準にとどまる(図8)。今後の買取価格を低減させる根拠にならない。

図8 風力発電の資本費・運転維持費の想定値(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 ただし設備利用率が想定を大幅に上回っている。2011年以降に運転を開始した風力発電の設備利用率は24.8%に達した。従来の想定は20%で、買取の対象になる年間の発電量は2割以上も増える(図9)。

図9 風力発電の設備利用率の想定値。出典:資源エネルギー庁

 この設備利用率を2017年度から適用したうえで、2019年度に向けて買取価格を低減させていく。2019年度の買取価格を18円とすれば、2017年度は22円のまま据え置くか21円に引き下げる。さらに2018年度に19〜20円に設定する案が現実的である。

 並行して政府は風力発電の事業化判断から買取価格決定までの期間を大幅に短縮する方針だ。出力7500kW以上の風力発電に義務づけられている環境アセスメント(環境影響評価)を実施すると、現時点では買取価格の決定までに3〜4年かかる。この状況では3年先の買取価格を見て事業化を判断できない。

 2017年度から風力発電設備の認定申請時期を前倒しする。従来は環境アセスメントの最終段階(評価書)に入らないと申請できなかったが、今後はアセスメントの第2段階(方法書)を開始した時点で申請できるようになる(図10)。これで買取価格決定までの期間が3年以内に短縮できる。

図10 風力発電の事業化判断から価格決定までの期間(画像をクリックするとプロセス全体を表示)。出典:資源エネルギー庁

 さらに環境アセスメントも2年以内で完了できるように調査を実施中だ。これを実現できると事業化判断から買取価格決定まで2年以内に収まり、3年先の買取価格を見て事業化の判断が可能になる。同様に地熱発電についても環境アセスメントの期間短縮を実施する方針だ。

 一方で中小水力発電とバイオマス発電は環境アセスメントが不要なため、事業化判断から買取価格決定まで3年以内に収まる。こうした状況から、風力・中小水力・地熱・バイオマス発電の買取価格は2017〜2019年度の3年分を一括で決定できる。

 現在のところ中小水力・地熱・バイオマス発電の買取価格は引き下げる要因が見あたらないため、2017〜2019年度も現行のまま据え置く。ただし中小水力発電とバイオマス発電には大規模な設備を対象に新しい区分を設ける予定で、新区分の買取価格は従来よりも低く設定する。

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