NTNの新機軸、小さな風と水路を生かせる発電機蓄電・発電機器

NTNは「WIND EXPO 2017」に出展し、農業・工業用水路などに設置できる小水力発電機や、開発中の小型風力発電機などを参考出展した。小水力発電機は春頃から、小型風力発電機は年内にNK認証を取得する計画だ。

» 2017年03月08日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 NTNは「スマートエネルギーWeek 2017」(2017年3月1〜3日、東京ビッグサイト)内の「WIND EXPO 2017」に出展し、小水力発電機や開発中の小形風力発電機などを参考出展した。小形発電機器の需要拡大を見込み、新規事業として取り組んでいるエネルギー事業の柱としていく考えだ。

 小水力発電機「NTNマイクロ水車」はプロペラ式で、農業・工業用水路に設置しやすいのが特徴だ。2本を梁(はり)を水路の幅に合わせて取り付け、その上に移動式クレーン車で発電機とプロペラ水車を載せるように設置する。水路に工事を加えること無く、1台当たり約1時間、5〜10万円程度の費用で設置できるという。一時的に水流をせき止める必要もない。

NTNの小水力発電機の設置イメージ(クリックで拡大)

 2016年の夏に発表した試作機から、発電機のデザインにも改良を加えた。出力0.4kW、1kW、1.7kWの3種類のモデルを用意し、2017年4月をめどに本格的に販売していく方針だ。価格は1kWのモデルで1台150万円が目安になるとしている。現在、土地改良区などを中心に提案を進めており、FITを活用して売電収益を得たいといったニーズが多いという。

発電機部分のデザインも改良した(クリックで拡大)

小形の風車も開発中

 小水力発電機の他、開発中の小形の風力発電機のカットモデルも参考出展した。2枚の尾翼を使った垂直軸型の風車で、出力は10kW級。稼働時の静謐性が特徴だという。2017年中にNK認証を取得する予定で「2018年の早いうちに販売を開始したい」(ブース担当者)としている。

 なお、NTNでは小形の風力発電機と太陽光パネルを組み合わせた独立電源型のLED街路灯も販売している。自治体などを中心に引き合いがあるという。

ブースでは尾翼の実物カットモデルを展示した。尾翼全長の約3分の1の大きさだ(左)/既に販売している小形風力と太陽光発電を組み合わせた独立電源タイプの街路灯(右)(クリックで拡大)

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