Looopと中部電力が資本提携、狙いは「FIT制度に依存しない再エネ普及」自然エネルギー(1/2 ページ)

新電力のLooopと中部電力が資本業務提携を発表。Looopの太陽光を中心とした再生可能エネルギー事業に関するノウハウと、中部電力の電力小売事業の基盤や経営資源を融合し、「ポストFIT」を見据えた再生可能エネルギー・分散電源関連の新サービス創出を目指すという。

» 2018年10月01日 12時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 新電力のLooop(ループ、東京都台東区)と中部電力は、2018年9月28日に東京都内で記者会見を開き、資本業務提携を行うと発表した。両社の持つ顧客基盤やノウハウを生かし、再生可能エネルギーを活用したサービス開発などを共同で行っていく。Looopが実施する第三者割当で発行する新株式を中部電力が引き受け、10.25%を出資した。中部電力の出資額は非公開。

中部電力の大谷執行役員(左)とLooopの中村社長(右)

 2011年に創業したLooopは、再生可能エネルギーの普及を理念に掲げ、これまで太陽光発電発電事業や、電力小売事業を展開してきた。太陽光発電所は2000カ所以上の開発実績があり、電力小売り事業では約13万件の顧客を持つ。

 今後はこうしたLooopの太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業や知見やノウハウなどと、中部電力の旧一般電気事業者としての電力小売事業の基盤や、経営資源を融合。再生可能エネルギーや、分散電源向けの新しいサービスを開発・提供していく。

 現時点では以下の4点のサービス開発に注力する方針だという。

  • 太陽光発電設備の調達、施工、O&M(運用保守)と余剰電力の買い取りなどをパッケージにしたサービスの提供
  • 太陽光発電設備と蓄電池をパッケージにした、系統安定化を目的とする需給調整サービス
  • 卒FITのお客さま(2019年11月以降、FIT制度の買取期間が終了する住宅向け太陽光発電設備)からの余剰電力の取引を実現するサービスの提供
  • 地域新電力と協調したエネルギーの地産地消を実現するビジネスモデルの提供
両社が構想する新サービスのイメージ 出典:Looop
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