今後、成長が期待される太陽光発電所のセカンダリーマーケットにおいても、評価ガイドの果たすべき役割は大きい。中古太陽光発電所の適正な価格を算出するためには、収益性および事業継続性に関するリスクの把握が不可欠であり、そのための客観指標が求められているからだ。とくに、デューデリジェンスを専門会社に委託するような余裕のない中小の案件においては、評価ガイドの存在は頼もしいものとなるだろう。
評価ガイドが、セカンダリーマーケットの取引関係者間でひろく活用されるようになれば、評価の客観性が高まり、中古太陽光発電所の価格形成要因の透明性もアップする。マーケットの信頼性も向上し、市場規模の拡大につながるものとも期待されるのだ。
ただし、評価ガイドを信頼に足る客観指標とするためには、“誰”が評価するのかが重要になってくる。少なくとも、評価対象となる発電所とは利害関係のない第三者が評価にあたる必要があるだろう。また、評価ガイドを間違いなく使いこなせる専門性をもった人材も求められことになる。太陽光発電協会と再生可能エネルギー保全技術協会では、「太陽光発電事業評価技術者養成講座」を開設し、評価ガイドを運用する人材の育成にも取り組み始めている。両協会としては、不動産鑑定士が土地を評価し、一級建築士がビルを評価するように、太陽光発電事業評価技術者が発電所を評価する体制を整えていく考えだ。
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