再エネ業界にも大影響の新型コロナ、千葉エコ・エネルギーは働き方をどう変えたかソーラーシェアリング入門〜番外編その1〜(2/2 ページ)

» 2020年04月27日 07時00分 公開
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リモートワークへの移行、課題となった点は?

 概ねオフィスへの出社を要さない形への移行はスムーズに進みましたが、それでも調整が難しかった部分もありました。例えば、社外との打ち合わせを極力オンライン会議とする取り組みです。社外とのオンライン会議は、相手方がそれに対応できるかも重要です。年度末ということもあって官公庁との打ち合わせも多い時期でしたが、組織セキュリティポリシーや機材の関係でオンライン会議ができないというところばかりでした。

 しかし、3月に入ると外資系企業を中心に対面での面談を全面禁止したり、在宅ワークへの移行が図られたりといった対応が見られるようになり、官公庁でも同様の対応が図られたことで、現在は以前よりオンライン会議がスムーズにセットできるようになりました。

 他にも、在宅ワークを進めるにあたって課題となったのが通信環境の確保です。自宅にインターネット回線を引いていないスタッフもおり、オンライン会議やクラウドサービスへのアクセス頻度が増えることによる通信量増加に対応するため、必要に応じて社用携帯の通信容量を拡張しました。また、小さい子供がいる家庭もあり、自宅で落ち着いた作業環境をどう確保していくかも課題になり得ます。コロナウイルスが広まっている状況下では、近くのコワーキングスペースなどで作業というわけにもいかないのが、悩みどころです。

自由な働き方を実践して生活を守る

 千葉エコがコンサルティングから始まったベンチャー企業であること、現在も小所帯で社内体制の変更を機動的に行える環境だったことから、今回のコロナウイルス問題にも柔軟に勤務態勢を切り替えて対応することができています。

 現在は、これまでも定期開催されてきた社内勉強会をオンラインで開催し、頻度を週一回に増やすことで社内コミュニケーションの場としたり、農場での作業日を設けたりして在宅し続けることによるストレスの軽減を図っています。社内のコミュニケーションツール上では、日々各自が出典やエビデンスを明記したコロナウイルスに関する国内外の情報を投稿しており、在宅環境では不安が高まるさまざまな噂話・デマへのリテラシーを向上させるとともに、今の過ごし方だけでなく「アフターコロナ」や「ポストコロナ」と言われる事態終息後の生き方を含めたイメージを膨らませています。

 「会社の事業として上手くいっているのか?」ということもよく聞かれますが、千葉エコではコンサルと農業という柔軟な働き方によって雇用が維持できており、発電事業による収入の下支えもあります。

 事業計画では、売上目標よりも社会課題の解決に資することを重視しているため、緊急事態宣言による経済停滞の中でもスタッフに対して売上へのプレッシャーを与えたり、それによる感染リスクを高める行動を取らせてしまったりする必要がなく、会社やスタッフの生活を守ることに注力することが出来ます。社内では副業も認めており、会社としても常に新規事業を興すことを推奨・応援しているので、この事態を逆手に取った新しいビジネスの芽が出ることを期待しています。上で述べたように、「アフターコロナ」の社会で私たちがどのように貢献していくかを考える時期が、今だと思っています。

 次回は、「ソーラーシェアリングでの働き方・コンサルタントと農業の二足のわらじ」と題して、千葉エコが実践している働き方をより詳しく紹介したいと思います。

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