「小型EV×ソーラーシェアリング」を実証、農村部の再エネ活用とBCP対策に自然エネルギー

千葉エコ・エネルギーがソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)と小型のEVモビリティを組み合わせて活用する実証実験を開始。都市近郊農村の低炭素化と農村BCP構築を目的としたプロジェクトだ。

» 2020年06月09日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 千葉エコ・エネルギーは2020年6月、都市近郊農村の低炭素化と農村BCP構築を目的に、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)と小型のEVモビリティを組み合わせて活用する実証実験を開始したと発表した。

 この実証実験は、千葉エコ・エネルギーが所有する「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機」(千葉市緑区大木戸町)が実証拠点。ソーラーシェアリングとEVモビリティを組み合わせることで、再生可能エネルギーの活用だけでなく、災害時にも利用できる移動手段の確保や非常時の電力供給など、農村エリアのBCP対策となるモデル事業の創出を目的としている。

実証のイメージ 出典:千葉エコ・エネルギー

 実証ではビニルハウスに太陽光発電設備を設置し、発電した電力は売電せず、移動式蓄電池などに蓄電して電動農機具などで活用する他、EVモビリティの充電などに利用する。EVモビリティは平時には人の移動や農産物の輸送、除草管理など、農作業を中心に活用していく。

 実証の背景には、千葉県に大きな被害をもたらした「令和元年房総半島台風」による被災経験があるという。自然災害の際に停電や交通網のマヒによって給油所が長期間機能しなくなった場合、移動手段としての車への依存度が高い農村部の生活に深刻な影響をもたらす。さらに資源エネルギー庁のデータによると、そもそも全国の給油所は、2014年度末の3万3510カ所から、2018年度末には3万70カ所に減っており、減少傾向が続いている。

 実証ではこうした背景を踏まえ、災害時でも機能するガソリン車に代わる交通手段の模索や、化石燃料の利用率が高い農業における再生可能ネルギーの活用拡大を目指す狙いだ。

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