Looopが独自の“固定買取価格サービス”、FIP利用の太陽光からFITのように電力買取太陽光

新電力のLooopが、4月からスタートするFIP(Feed in Premium)制度の導入に合わせて、FIP認定を受けた発電所から電力と環境価値を固定価格で購入する新サービス「Looop FITプレミアム」を発表。発電事業者の事業予見性の向上や、業務負荷の低減を支援するという。

» 2022年03月09日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 新電力のLooopは2022年3月8日、4月からスタートするFIP(Feed in Premium)制度の導入に合わせて、FIP認定を受けた発電所から電力と環境価値を固定価格で購入する新サービス「Looop FITプレミアム」を全国で開始すると発表した。発電事業者の事業予見性の向上や、業務負荷の低減を支援するという。

 2022年4月からスタートするFIP制度は、発電事業者が太陽光発電などで生み出した電力を、卸電力取引市場や相対取引で市場に供給した際に、一定の補助(プレミアム)を交付する。買取価格が市場の状況によって変化するため、いつ発電・売電を行っても一定の収益が得られたFIT制度とはことなり、発電事業者にとってはより精緻な事業計画や戦略が求められる。

 また、FIP制度においては、発電所を運営する事業者は事前に発電計画を提出し、実際の発電量をその計画と一致させる必要がある。差分が生じた場合は、インバランスとして差を埋めるための費用を支払わなくてはならない。よって、発電事業者にはインバランスを出さないための、需給管理も求められるようになる。これもFIT制度との大きな違いといえる。

FIT制度とFIP制度の違い 出典:資源エネルギー庁

 Looopが提供する「Looop FIT プレミアム」は、こうしたFIP制度下における発電事業の業務負荷の低減や、事業の予見性向上を支援するもの。具体的には、LooopがFIP基準価格や従来のFIT認定価格よりも高い固定価格で、発電事業者から電力およびその環境価値を一定期間にわたって買い取るという。さらに、発電計画などの需給管理業務もLooop側が引き取り、発電事業者はインバランスのリスクを負担する必要がない。

「Looop FIT プレミアム」の提供イメージ 出典:Looop

 サービスの提供エリアは、沖縄と離島を除く全国。FIP制度の対象となる50kW(キロワット)以上の高圧太陽光発電所が対象となる。これからFIP制度の新規認定を受ける発電所、FIT認定を受けているがまだ発電していない発電所、既にFIT認定を受けて発電を開始している発電所など、FIPに移行できるものであれば、法人や個人を問わずサービスの対象になるとしている。

 なお、買取価格は相対契約となるため個別の相談となる。既にFITを利用している発電所については、一つの目安として「現状のFITの買取価格が18円/kWh以下であれば『Looop FIT プレミアム』に移行したほうがメリットがある」(Looop)としている。

 買取期間については、新規にFIP認定を取得する発電所であれば20年間、既にFIT制度のもとで発電を開始している発電所であれば、残りのFITによる買取期間(例えば既に4年間発電を行ってれば、16年間)が契約期間となる。

 Looopによると、FIP制度はFIT制度下と比較して事業の予見性が低くなるため、発電所の建設をためらう発電事業者や、投融資に踏み切れない金融機関などが出てくることが想定される。今回の「Looop FIT プレミアム」はこうした課題の解決に向けたもので、FIP制度導入初期に想定される発電事業者のリスクを低減することで、再生可能エネルギーの導入拡大を支援するとしている。

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