2022年度冬季は、一層厳しい電力需給見通しが示されている。2022年度冬季の厳気象H1需要に対する予備率は、5月時点の検証ではマイナス値だった。しかし、6月28日時点検証では1.5%への改善が報告されている。
これは、福島県沖地震(2022年3月16日)により被災停止していた新地1号(石炭火力・100万kW。福島県)が、2022年12月末から復旧することによる供給力増加が、改善の主な要因である。
また、東北エリア南部に立地する新地1・2号が停止したことは、同期安定性制約により東北→東京の地域間連系線の運用容量を低下させていたが、新地1号の復旧後には連系線の運用容量は549万kWへと増加すると見込まれている。
これにより、東京エリアの予備率は大きく改善することとなった(1月:▲0.6%→+1.5%)。
夏季には、表4のようにEUE算定の元で一定の大きな供給力を評価可能な太陽光発電であるが、冬季における供給力は小さく評価されることとなる。
2022年度冬季の需給検証報告書は未作成であるため、2021年度報告書を参照するならば、太陽光の冬季の供給力(10エリア合計)は、255万kWと算定されている。これに対して、全国最大需要時(2021年1月14日9〜10時)の太陽光供給力実績は1,731万kWであり、想定と実績の差は+1476万kWとなった。
ただし18〜19時の太陽光供給力実績は0であり、仮にこの時間帯に最大需要が発生したならば、想定と実績の差は▲255万kWとなったことに留意が必要である。
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