再エネ普及の課題「地域社会との共生」、政府が導入する新ルールの方向性とは?法制度・規制(2/5 ページ)

» 2022年11月22日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

立地状況等に応じて認定手続きを強化

 上記のように関係法令・条例の実際の許認可取得が事後的であろうとも、法令等を実質的に順守することは必須条件である。

 しかしながら、一部の案件では関係法令の順守が徹底されておらず、森林伐採等に伴う土砂流出等の問題が生じているため、事前に法令順守の確認を行うなど、認定手続きの厳格化が求められている。

 特に、土地開発に関する行為は周辺地域の安全性に強く関わるものであり、一旦開発行為が行われた場合は原状回復が著しく困難である。

 このため、

  1. 森林法における林地開発許可
  2. 宅地造成等規制法(盛土規制法)における許可
  3. 砂防三法(砂防法・地すべり等防止法・急傾斜地法)における許可

などの土地開発に関わる許認可については、再エネ特措法における申請にあたり「事前に」取得を求めることに変更する。

 現在、都道府県に対する林地開発許可申請には「資金計画書」と「融資証明書」の提出が求められる。詳細な資金計画書を作成するには、FIT認定を得て売電単価を確定させる必要があることから、両者は「ニワトリと卵」の関係にあると言える。

 今回の変更案に対して太陽光発電協会は、FIT事業認定が無い段階での収支計画の提出や、金融機関から「融資証明書」を得ることは困難であるとの懸念を表明している。よって今後は都道府県や金融機関側でも、手続き変更に対応する必要があると考えられる。

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