「カーボンフットプリント(CFP)」普及施策の検討が大詰め、算定製品はグリーン購入法の対象へ(2/4 ページ)

» 2022年12月16日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

CFP情報の利用者に対する啓発

 年度末の策定が予定される「CFPガイドライン」とは、CFPの算定や検証に関する一定の枠組みを示した文書であり、まずはCFPを算定する側(メーカーや売り手等)での利用が大前提とされる。

 しかしながら、実際にCFPによる製品等間の「比較」を行うのは、顧客企業等の「情報の受け手」であるため、CFP情報の利用者に対する一定の注意喚起や啓発も必要とされる。

 異なる企業間の製品では機能や大きさ等、さまざまな特性が異なるため、CFPの大小を直接的に比較できないケースも多々あると考えられる。このためCFP情報の利用者は、比較対象とするCFPの算定ルールや算定方法、前提条件を可能な限り理解することが求められる。

 これを裏返せば、CFP情報の提供者は算定ルール等を適切に、CFP情報利用者に提供することが必要となる。

 また、そもそもCFP情報が他社製品との比較を意図していない場合には、「他社が算定したCFPとの比較はできない」旨を文書やwebサイト等で明記することが、CFP情報提供者に求められる。

使用電力由来GHG排出量の算定方法

 CFPはLCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方に基づく仕組みであるため、電力のCO2排出量(排出係数)については、発電時点の排出だけでなく、燃料調達等の上流プロセス等に由来する排出量も算定することが原則とされる。

 具体的な算定方法としては図4の3つの案があるが、通常、電力会社は間接排出(係数)を把握していないため、現時点では「方法1」や「方法3」を取ることは現実的ではない。

図4.使用電力由来GHG排出量の算定方法 出所:CFP検討会

 このため消去法的に「方法2」を取らざるを得ないが、この方法では電力会社の違いが反映されないことが課題とされる。

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