ISOでは、製品のライフサイクル全体の定量的環境情報を提供する規格として、「タイプIII環境ラベル」が定められている。
検討会では、異なる企業の製品間でのCFPの比較を行うニーズが拡大してきていることを踏まえ、タイプIII環境ラベルを用いずともCFP比較を行うために必要な要件を整理している。
一般的にCFPを算定するためには、当該製品に適用可能な具体的な算定ルール「PCR(Product Category Rule)」が必要となるが、PCRという専門用語はタイプ?環境ラベルを想起させるため、検討会では「製品別算定ルール」という、より汎用的な表現を用いている。
よって「CFPガイドライン」では、他社製品と比較されるCFPを算定する場合は、当該製品に関する製品別算定ルールを用いることが、要求事項とされている。
製品別算定ルールが存在しない場合は、利害関係者が協議することにより、新規の製品別算定ルールを作成することが可能である。新たな製品別算定ルールの作成プロセスは、ISO/TS 14027の方法に則って行う必要がある。
製品別算定ルールでは、当該製品カテゴリのCFPを算定する際に一次データを収集すべき範囲を規定し、CFP算定者はその製品別算定ルールに従い、一次データを収集する。
また二次データを用いる際は、製品別算定ルールにおいて指定された特定のデータベース (およびバージョン情報)の二次データを使用しなければならない。
CFP情報の利用者が他社製品との比較を行う場合、客観性の担保が重要であるため、CFP情報の提供者に対して第三者検証を要求し、CFP情報の提供者 (算定者) は第三者検証機関にその検証を依頼することとなる。
諸外国では、政府公共調達や民間企業の物品調達において、CFPを利用した調達行動が進んでいる。日本でも現在、グリーン購入法を所管する環境省において、CFPの利用が検討されている。
グリーン購入法では、国及び独立行政法人等はグリーン購入の推進に関する「基本方針」や「調達方針」を策定し、グリーン製品を購入することが義務付けられているほか、地方公共団体等では努力義務とされている。
グリーン購入法では、グリーン製品(特定調達物品)を定める「判断の基準」として2段階の基準を設けており、最低限満たすべき「基準値2」と、より高い環境性能を求める「基準値1」がある。今後、「基準値1」の要件として「CFPを算定した製品等」であることが加えられる。
CFPを活用したグリーン調達が拡大することは、単位あたりCFP算定コストを低減させる効果があることから、国や地方公共団体等の公的機関のほか、GXリーグ賛同企業などによる積極的な調達量の拡大が期待される。
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