新しい同時市場の仕組みの検討においては、「①約定電源等の決定方法(電源等のラインアップ)」と「②約定価格の決定方法」について検討することが必要となる。
まず約定電源等の決定方法としては、以下のような流れとなる。
これにより、kWhとΔkWを確実に確保する。
ここで需要予測とは、それぞれの小売電気事業者(需要BG)と一般送配電事業者(TSO)の双方が行うものである。図1では、TSO需要予測のほうが小売事業者予測(=小売事業者入札量+相対電源)よりも大きい状態を描いている。
この場合、小売事業者全体としては不足インバランスを発生させている状態であり、安定供給上問題となるため、TSOがこの差分を補う必要がある。このため図1では、調整力「ΔkW-I」が確保されている。
なお通常、各需要BGの需要予測合計量は、TSO需要予測と概ね一致するはずであるが、どちらの予測がより精度が高いか、広域機関が分析を行ったところ、一定の前提条件のもとではTSOのほうが小売事業者よりも予測精度が高いことが明らかとなった。
このため「TSO予測需要>小売調達需要」の場合は、確実な電源の起動を行い、安定的な電源運用に資する観点から、TSO予測需要基準で電源起動の判断をすることとする。
他方、もし「小売調達需要>TSO予測需要」となる場合にも市場の約定量をTSO予測需要基準に合わせるならば、同時市場で「売り切れ」の発生や価格高騰が懸念される。このため、「小売調達需要>TSO予測需要」となる場合は、kWhの約定量は小売入札量によって決定する。
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