改正省エネ法が影響、“エネルギーの定義変更”で建築物省エネ法はどう変わる?太陽光の自家消費の取り扱いにも影響(2/5 ページ)

» 2023年02月24日 12時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

住宅・建築物の一次エネルギー消費性能基準

 住宅や建築物が満たすべきもう一つの省エネ基準が「一次エネルギー消費性能基準」である。一次エネルギー消費性能(BEI:Building Energy Index)とは、建物で使用する空調や照明等の設備が消費するエネルギー消費量について、設計値を基準値で除したものである。

 つまり、BEIが小さいほど建物のエネルギー消費性能が高いと言える。現在の省エネ基準におけるBEIは、1.0以下(BEI≦1.0)である。

 建築物(非住宅)において、エネルギー消費量の算定対象となる設備は図2で示した空調設備、換気設備、照明設備、給湯設備、昇降機である(住宅の場合、昇降機を除く)。

図2.一次エネルギー消費性能の算定対象 出典:環境省

 図左側の基準仕様とは、標準的な仕様を採用した場合のエネルギー消費量であり、図右側の設計仕様とは、省エネ建材や省エネ設備等を採用した場合の設計上のエネルギー消費量である。

 図右下の「エネルギー利用効率化設備」とは、太陽光発電やコジェネレーション設備等による「創エネ」量を表している。なお、事務機器や上記以外の家電製品のエネルギー消費量は、BEIの算定対象外である。

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