カーボンリサイクルの原料としてのCO2や水素の調達、またカーボンリサイクル技術や製品の市場の確保という観点で、国際連携を進めることは重要である。
国は、「GXを見据えた資源外交の指針」案において、鉱物やCCS、新燃料(水素・アンモニア、カーボンリサイクル(CR)燃料、バイオ等)分野の主要国を、図5のように整理している。
産油・産ガス国とは、エネルギー安定供給の確保の観点も踏まえつつ、またアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)等の国々とは、カーボンリサイクルを有望なソリューションの一つとして、協力関係の強化を目指すとしている。
また、「カーボンリサイクル産学官国際会議」を通じて、各国がカーボンリサイクルの将来的な社会実装に向けた技術開発・実証に取り組む方向性を確認するとともに、各国間の協力関係の強化を進めている。
カーボンマネジメントのもう一つの主要技術であるCCSは、脱炭素技術の中では、低コストの技術と位置付けられている。
米国や欧州を中心に、国による支援を前提としつつ、すでに商用化段階に入っており、炭素貯留地を巡る「大競争時代」を迎えている。
グローバルCCSインスティチュートによれば、世界で196件の大規模CCSプロジェクトがあり、現在稼働中のプロジェクト30件のうち7割がEOR(原油増進回収)であるが、開発中プロジェクト108件のうち約7割の貯留先候補は、帯水層又は枯渇油ガス田(つまり、純粋なCCS)となっている。
米国のインフレ削減法(IRA)による支援など、世界的にCCSに関する法整備、政策支援が進んでおり、米国の10億トン、中国の23億トン、インドの7.5億トン、欧州の5億トンなど、非常に大規模な貯留目標が掲げられている。
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