一般送配電事業者から前日時点で出力制御指示が発出されるオフライン電源(手動操作)と比べて、実需給に近い断面で柔軟に当日指示・解除が可能なオンライン電源では、再エネ出力制御量(kWh)を低減することが可能である。
例えば九州エリアの旧ルール太陽光発電の場合、2023年度の年間制御率はオフラインでは11.8%、オンラインでは7.4%と、4.4ポイントの違いが生じると報告されている。
このため国や一般送配電事業者では、再エネ出力制御の低減策として、オンライン化の更なる推進を掲げているが、オンライン化率はエリアによって大きく異なる状況である。
上記のような物理的なオンライン化の推進には一定の制約があることを踏まえ、新たに導入された仕組みが、オンライン代理制御である。
オンライン代理制御では、まずオフライン電源に代えてオンライン電源を追加的に制御(=代理制御)する。このままでは電源間の経済的不公平が生じてしまうため、オフライン電源の発電量から代理制御分を控除する一方、オンライン電源の発電量に代理制御分を加算することにより、両者を金銭的に精算する仕組みである。
なお、低圧電源および500kW未満の高圧電源においては「分散検針」制が実施されているため、対象電源の発電量実績が揃うのは最短でも代理制御実施の翌月末となる。このため、精算比率の算定を行った後、代理制御実施月2カ月後の発電者への受給料金支払いのタイミングで、オンライン代理制御の精算が実施されている。
このように、代理制御の実施と精算のタイミングには一定のタイムラグがあるため、一部の再エネ発電事業者からは、具体的な代理制御精算金の把握が遅れることの課題が指摘されている。
すでに一般送配電事業者のWebサイトでは、出力制御回数実績やオンライン代理制御の精算比率が公開されている。今後は一般送配電事業者がシステム改修を伴わない範囲でどのような情報公開が可能であるか、検討を行う予定としている。
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