このような状況を踏まえ、達成率80%以上であることを配慮措置の一つの適用基準とした上で、エネ庁は個別の聞き取りを実施し、最終的な評価を行った。第一フェーズの達成状況は、「達成」「未達配慮」「未達成」の3つのカテゴリーに分類される。
配慮措置の一定の基準(達成率80%以上)を満たさない事業者に対しても、ヒアリング等により個別の事情を総合的に考慮し、配慮措置の適用可否が判断された。ヒアリング対象事業者の評価軸は、以下のとおりである。
ヒアリング対象となった14社の評価結果は、表1のとおりである。例えば東京ガス(達成率99.66%)は、自社ではすでに100%達成したと認識していたところ、計算誤りがあったことが未達の理由であったため、配慮措置の適用可と判断された。
他方、オリックスは達成率80.14%と基準(80%)を超えているものの、2022年度最終オークションに応札しておらず、目標達成に向けた最低限の努力指標を満たさないため、配慮措置の不適用と判断された。
以上より、ヒアリングも踏まえた第一フェーズ中間評価の最終結果として、「達成」は58%の事業者、「未達配慮」は25%、「未達」は16%であった。なお「達成」には、共同達成(例えば出光興産と出光グリーンパワー)の6者を含む。
「未達」の事業者に対しては、エネ庁から個別に指導・助言を実施済みであり、今後必要に応じて進捗状況の確認などフォローアップを行う予定としている。ただし、「未達」カテゴリーには、達成率が0%など著しく低い事業者もあり、非化石証書の購入費用を免れていると言える。
これは、電源の脱炭素化という高度化法の趣旨に反するだけでなく、小売事業者間の競争の公平性を損なうものであるため、委員からは、ペナルティを強めることも求められている。
また「未達配慮」カテゴリーの事業者については、非化石証書の需給バランスが著しく悪化したためやむを得ず未達になった旨を公表時に注記するとともに、指導・助言の対象外となる。東京電力エナジーパートナーなど6社の旧一般電気事業者も、「未達配慮」となっている。
第二フェーズ2023年度以降は、達成率を3カ年平均ではなく単年度で評価することに見直すため、特定年度に買い入札が集中することは避けられると考えられる。
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