2023年度の容量市場メインオークションの結果が公表、市場分断の傾向は継続エネルギー管理(3/5 ページ)

» 2024年02月09日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

電源等の応札容量

 全国の応札容量は合計で17,162万kWであり、電源等の区分別にみると、安定電源が 16,072万kW(93.6%)、変動電源(単独)が432万kW(2.5%)、変動電源(アグリゲート)が58万kW(0.3%)、発動指令電源が600万kW(3.5%)であった。

 今回のオークションにおける発動指令電源の応札上限容量は4%(642万kW)であったのに対して、実際の応札容量は調整係数反映前で621万kW(調整係数反映後600万kW)となったため、上限容量を超過しなかった。

 なお発動指令電源の調整係数は、応札の結果から事後的に算定しており、北海道エリアでは56.6%、九州では92.8%、その他のエリアでは100%となっている。

図3.電源等の区分別の応札容量(万kW) 出典:広域機関

発電方式別の応札容量

 全国の発電方式別の応札容量(ただし、変動電源(アグリゲート)等を除く)を見ると、一般水力は1,306万kW(7.9%)、揚水は2,196万kW(13.3%)、石炭等は3,876万kW (23.5%)、LNGは7,095万kW(43.0%)、石油その他は1,217万kW(7.4%)、原子力は776万kW(4.7%)、その他再エネは30万kW(0.2%)、蓄電池は8万kW(0.05%)であった。石炭等のうち、非効率石炭火力の応札容量は635万kW(3.8%)である。

 蓄電池(期待容量が1,000kW以上、放電可能時間が3時間以上)については、今回オークションから、安定電源と発動指令電源の選択が可能となった。

図4.発電方式別の応札容量 出典:広域機関

 発電方式別の応札容量(安定電源と変動電源(単独))の4年間の推移を見ると、石炭等や「石油その他」の減少が大きい。

表7.発電方式別の応札容量(安定電源と変動電源(単独)) 出典:広域機関資料を基に筆者作成

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