CFP表示にあたり、CFPガイドラインでは、算定の透明性を担保するために、補足情報としてCFPの算定結果や算定方法などを取りまとめた「CFP算定報告書」を作成することを求めている。
算定報告書に記載すべき情報等についてはCFPガイドラインに解説されているが、これら全ての情報(表2の左列)を網羅することは企業の負担が大きいと考えられる。
このことがCFPの普及を阻害するおそれもあるため、当面の間は、「CFP実践ガイド」で紹介している事例(表2の右列)を参照すること(つまり、一部の項目を省略すること)を許容する。
CFPは、製品カテゴリーが違う場合、そもそも製品の機能単位が異なるため、同一の算定ルールが適用できず、CFPの値の単純比較をすることはできない。よって、CFPの比較は、同一の製品/製品カテゴリー間に限られるが、同一製品カテゴリーであっても、機能のわずかな差異や算定時期の違い(使用する電力の排出係数の違い)等がCFPの値に影響するため、単純に比較することは困難である。このため、CFPガイドラインでは、製品別算定ルールについて、他社製品と公に比較する場合は、3名の独立した外部専門家によるレビューを行う必要があるとしている。
CFPの値を自社製品や業界の同一製品カテゴリー内のベースライン等と比較する場合、ライフサイクルステージや機能単位、市場、参照ルールが共通であることを前提として、消費者の誤解を招かぬよう表示することが求められる。
なお、CFPの算定結果のみをもって、GHG以外の環境影響(例えば、生物多様性)についても優れているかのような表現をすることはNGである。
すでに一部の地方公共団体や、国の他制度では、CFPを活用した様々なラベル制度が運用されている。図7の2つの例はいずれもCFPそのものではなく、大阪府による「大阪版カーボンフットプリント」(左図)は削減率を表示するラベルであり、農水省「みえるらべる」(右図)では、等級を星の数で表している。消費者の混乱を招くことがないよう、ある程度の棲み分け、整理が期待される。
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