今回、環境省が作成を目指している「CFP表示ガイド(仮称)」は、事業者によるCFP表示や消費者に対する背景情報の提供を推進し、企業の取り組み促進と消費者の行動変容につなげることを目的としつつ、実務の現実性と表示の妥当性のバランスを取ることにも留意している。
CFPは、その数値の大小だけでなく、CFP(=GHG排出量)の算定やその結果を踏まえたGHG削減努力を消費者に示すものとなり、消費者にとっても、脱炭素化に向けた貢献を評価する分かりやすいコミュニケーションツールと位置付けられる。
なお、CFP表示ガイドは、CFPの表示義務等を課すものではなく、CFP表示方法と算定に関わる情報の提供に関する考え方を示すものである。また同ガイドでは、環境表示に関する国際標準(ISO等)と整合性がある表示を目指すこととしている。
CFPの「算定」については、既存の「CFPガイドライン」等に基づき、一定の合理的根拠を持った数値を使用することが大前提となるが、CFPの「表示」についても、技術的な信頼性・信用性を維持することが必要となる。
ただし、過剰に要求レベルを上げることは事業者の負担となり、CFPの算定・表示への取り組み意欲をそいでしまい、CFPの普及を阻害するおそれもある。このため表示ガイドでは、費用対効果や実用性(実務の観点でCFP算定・表示が現実的であること)、適応性(CFPの結果に影響を与える要因の変化にあわせて、柔軟にCFPの数値や表示の見直しを行えること)のバランスには十分配慮することとしている。
CFP表示では、製品・サービスのライフサイクルのすべての段階を考慮することを原則として、生産・使用・廃棄が行われる場所によってCFPの値が変わる可能性があること(地域性)も織り込む。
また将来的に同じ製品・サービス群で、同じ機能または宣言単位を持つ製品・サービスの比較を可能にすること(比較可能性)を目指し、定量的な情報や説明文により、表示するCFPがどのように算定されたかという情報を確認できる透明性を求める。
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