データセンター(DC)等の需要家が電気の供給(託送)を受けるためには、一般送配電事業者に対して図6のような申込プロセスを行う必要がある。
東京エリアでは、DCからの「事前検討」(任意の手続き)が2020年頃より急増しており、2024年度末時点では、1,000件以上、容量では1億kW以上に上ると推計されている。これは、DC事業者が工期面、費用面で有利な接続地点を探るため、同時に複数の地点において事前検討を申し込んでいるためと考えられる。また、事前検討1件あたりの規模についても大容量化の傾向があり、直近では13万kW(130MW)程度となっている。
また、接続供給の申込段階まで進んだ案件は合計954万kWあり(2024年8月末時点)、特に千葉県印西・白井エリアでは強固な地盤や都心へのアクセスの良さ等を背景に、接続申込みが多くあり、印西・白井エリアにおける連系待ちのDCは約40件、申込容量総計は約250万kWに上る。
DC等の需要家は「接続供給申込み」を行うことにより、一旦、系統容量を仮確保することが可能となる。一般的に、DC等の多くは、完工直後から電力の最大需要に達するわけではなく、稼働開始から数年程度かけて最大需要に達する計画を作成しており、段階的に契約電力を増加させる計画を申込時に提出している。
東京電力パワーグリッド(東電PG)によると、印西エリアでは、一度提出した計画について下方修正や送電日の延期をすることにより、系統の「空押さえ」状態となっている案件が複数あることが報告されている。
東電PGでは、DCから提出された当初計画値に基づき送配電設備の工事を進めるため、DC等により過大な申込み・系統の空押さえが生じる場合、後発需要家の連系が遅れる懸念や、過大な設備増強による託送料金の上昇といった影響が生じる可能性があるとしている。
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