そもそも、地熱資源容量とはどのように定義されるのか。資源エネルギー庁の「地熱発電の推進に関する研究会」では、まず従来型地熱を念頭に、仮に国内の150℃以上の地熱資源の全てを開発できた場合に想定される発電容量は2,347万kWであり、これを「地熱資源量」(地熱ポテンシャル)と呼んでいる。また、調査・開発フェーズにおいて想定される地熱貯留層から、個別プロジェクト単位で評価する発電容量を、「地熱資源容量」と定義している。
よって現時点、次世代型地熱のポテンシャルは、図3の「潜在資源容量」や「開発保留資源容量」に分類される。これらを、ロードマップに示した技術開発や実証事業等を通じて、「期待資源容量」や「条件付資源容量」に早期に格上げすることを目指している。
「クローズドループ方式」とは、亀裂のない高温の地熱層に坑井を掘削し、閉鎖系管内に流体を循環させ、周囲の岩石からの熱伝導で地熱を回収し利用する技術である。これにより、熱水・蒸気がない地域での資源開発が可能となるため、さまざまな地域への展開が期待される。
ロードマップ案においては、2030年までにクローズドループ方式の実証井の掘削及びそれらを用いた循環試験、地下の適切な熱回収システムの完成を目指し、生産試験井1組(マルチラテラル方式等)の完成を目標としている。2030年以降は、スケールアップし、全国で2〜5万kW規模の発電所建設を目指す、としている。
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