高度化法の現在の目標年度(2030年度)がせまる中で、2031年度以降の目標を定める必要がある。高度化法に基づく「基本方針」や「判断基準」は、国の「エネルギー需給の長期見通し」等を踏まえて定めており、2025年2月に策定された「2040年度のエネルギー需給見通し」では、再エネ4〜5割程度、原子力2割程度、火力3〜4割程度という新たな電源構成が示された。なお火力の内訳は示されていないが、電力排出係数は火力平均で0.08〜0.31kgCO2/kWhとされており、水素等の脱炭素燃料やCCS活用により、火力電源の一部は非化石価値を持つと想定される。
これまでも、再エネ特措法や長期脱炭素電源オークション、需要側の非化石化を促す改正省エネ法等により、非化石電源の導入が制度的に進められてきたが、今後も「水素等のサプライチェーン構築のための価格差に着目した支援事業」や「先進的CCS支援事業」等により、非化石電源比率の向上は十分に見込めると考えられる。
ただし2040年度の電源構成は、不確実性の高い革新技術の普及など複数のシナリオを参照した、幅を持った数値であり、これをそのまま小売電気事業者の目標(義務)とすることは、目標未達成のリスクを高めるおそれがある。
よって、高度化法の目標としては、「2040年度のエネルギー需給見通し」の非化石電源の下限値を参照し、2040年度における非化石電源比率を60%以上とすることとした。
なお、現行の高度化法に基づく基本方針や特定事業者判断基準においては、2030年度の電気事業全体でのCO2排出係数(0.37kg-CO2/kWh)を記載しているが、2040年度の火力発電の内訳の見通し等は現時点で定められていないため、今回の高度化法の目標見直しに当たり、CO2排出係数の記載は削除となる。
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