営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)について解説する本連載。今回は2025年末に農林水産省が公開した営農型太陽光発電の最新統計の中身を読み解きます。
2025年末に、待ちに待った営農型太陽光発電の最新統計が農林水産省から公開されました。早速、令和5年度末(2024年4月末)時点の最新の統計資料を見ていきましょう。
一時転用許可の件数については、新規許可件数が791件で令和2年度よりも少ないという結果になり、平成29年度以来の対前年度比での減少となります。これについてはおおむね予想通りの展開で、令和2年度から始まったFIT制度における特定営農型太陽光発電設備の運転開始割合が影響したと推測されます。
令和5年度の新規許可における下部農地の面積を新規許可件数で割ると1,792.7m2(令和4年度は2,273.5m2)となり、低圧規模の事業が大半を占めていると思われることに加え、特定営農型太陽光発電設備の事業計画認定数は経済産業省の資料から令和2年度に3,414件とされています。この令和2年度の事業計画認定案件が、令和5年度末までに3年の運転開始期限を迎えることになり、令和3年度から令和4年度にかけて一時転用許可件数を押し上げてきたストック案件の一角がなくなっていきます。今後出てくる令和6年度末の営農型太陽光発電の統計データは、令和3年度の3,863件とされる特定営農型太陽光発電設備の事業計画認定案件が運転開始期限を迎える中で、令和5年度末までに未稼働だったものがどれくらい運転開始に至るかに左右されそうです。
令和4年度の統計で少し変化が見られた農地区分は、今回のデータでも特徴的な動きが見られました。農用地区域内農地と第1種農地の比率が合計すると全体の90%超を占める傾向は変わりませんが、令和5年度は第1種農地と第2種農地の件数が大きく減少しています。このうち、第2種農地の減少は特定営農型太陽光発電設備の運転開始件数が減少したことも影響しているのではないかと推測されます。一方、減少したとは言え、荒廃農地再生の件数は引き続き従来よりも高い状態を維持しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10