風力発電のコスト動向 陸上風力は2026年度の入札上限価格を見直しへ第110/111回「調達価格等算定委員会」(2/3 ページ)

» 2026年01月15日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

陸上風力発電の2026・2027年度入札上限価格の見直し

 結論を先取りすれば、陸上風力(新設)の2026年度・2027年度の入札上限価格等における想定値は表2のように見直すこととされた。

表2.2026年度・2027年度の入札上限価格等における想定値 出典:調達価格等算定委員会

 先述の通り最新のコストデータによると、資本費・運転維持費は、既に設定済みの2025年度・2027年度の想定値を上回っているため、見直しを行うこととした。

 設備利用率は、2022〜2024年設置の中央値を平均した値は29.5%であり、2025・2027年度の想定値29.1%と概ね同水準であるため、据え置くことした。また、運転年数についても特段の事情の変化は見られないため、据え置くこととした。ただし2027年度については、自立化に向けて、調達期間終了後も長期安定的な稼働を継続するよう促していく観点から、25年と設定している。

表3.陸上風力発電の資金調達コスト 出典:調達価格等算定委員会

 またIRR(内部収益率)については、昨年度の調達価格算定委員会では、近年の資金調達コストの低下(表3)を反映し、2027年度想定値のIRRを「5%」に引き下げることを決定していた。

 他方、国債(10年)の平均利回りは2025年11月時点で1.658%に上昇するなど、事業者の足元の資金調達コストは上昇に転じている可能性もある。このため、2027年度のIRR想定値は、2025年度の想定値を据え置く形で「6%」へと設定し直すこととした。

図4.国債等金利の推移 出所:料金制度専門会合

洋上風力発電のコスト動向

 「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」が2025年8月に策定した「洋上風力産業ビジョン(第2次)」では、2030年までに10GW、2040年までに30〜45GW(浮体式を含む)の案件形成、2040年までに15GW以上の浮体式洋上風力発電の案件を形成する目標が示されている。

 第111回「調達価格等算定委員会」では日本風力発電協会(JWPA)から、日本の洋上風力発電コストの現状と今後のコストダウンに向けた、市場創出やサプライチェーンの構築、技術開発等の取組が報告された。

 再エネ海域利用法に基づく公募の第3ラウンドにおいて、供給価格上限額設定時に、NEDOモデルに基づき算出された資本費は38.8万円/kWであった。WPAが再エネ海域利用法による公募選定済の事業者に対してアンケートを行った結果、着床式モノパイル案件のCAPEX平均金額は90.8万円/kWであり、NEDOモデルの2.3倍と大きな乖離が生じていることが明らかとなった。

表4.第3ラウンド(モデル)とアンケート結果の比較 出典:JWPA

 またOPEXについては、第3ラウンドの上限価格設定時(設備維持費用・人件費・保険料)は1.32万円/kW/年であるが、JWPAアンケート平均値(設備維持費用・人件費)1.23万円/kW/年に、保険料・港湾使用料・占用料・需給調整費用・固定資産税等を加えたOPEX合計は2.76万円/kW/年となり、第3ラウンドの約2.1倍に上る。

 これらのCAPEX、OPEXをモデルプラントの諸元(15MW×30基、モノパイル、発電期間35年、設備利用率36.6%)を基に経済性評価を実施したところ、発電コストベースで約22.4円/kWhとなり、プロジェクトIRR 6%確保に必要な売電単価(円/kWh)は、30円台半ばとなった。

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