調達価格等算定委員会の第111回および112回会合で、陸上風力発電の2026年入札上限価格等における想定値の見直しに向けた検討が行われた。また、日本風力発電協会から洋上風力発電のコスト動向に関するレポートも公開されている。
国内の風力発電は、2030年エネルギーミックス(2,360万kW)の水準に対して、FIT前導入量+FIT・FIP認定量は1,940万kWであるが、導入量は650万kWに留まる(いずれも2025年3月時点)。
陸上風力発電は2021年度から入札制(対象:第1回250kW以上、第2回〜第5回 50kW以上)に移行しており、これまではコスト低減が着実に進展している。また、事業者の予見性を高める観点から、すでに2026年度入札の上限価格(12.00円/kWh)が設定されており、事前公表されている。
ただし、昨今のインフレ等により建設コスト等の上昇が生じていることから、資源エネルギー庁では、電源種ごとに、FIT調達価格/FIP基準価格又は上限価格等の見直しの必要性を検討することとしている。
「調達価格等算定委員会」の第111回および112回会合では、陸上風力発電の2026年入札上限価格等における想定値の見直しに向けた検討を行うとともに、日本風力発電協会からは洋上風力発電のコスト動向等が報告された。
陸上風力発電(50kW以上・新設)の資本費を設置年別に表したものが図3である。各年度の設置件数が少ないこともあり、設置年ごとの各費目の金額のばらつきも大きく、明確な低減トレンドは見られない。
ただし、事業者からの定期報告データによれば、事業規模(総出力)によりコストの違いが大きく、50kW以上の全210件では資本費の中央値は35.4万円/kWであるのに対して、「37,500kW以上」規模では27.5万円/kWと、大規模案件ほど低い資本費であることが確認されている。
なお調達価格等算定委員会では、原則、その時点の最新の定期報告データに基づき、資本費や運転維持費等の想定値を設定することにより、各年度の入札上限価格を設定している。
2021年度の調達価格等算定委員会において、2024年度入札の上限価格が設定されたが、その資本費想定値は当時の「37,500kW以上」の中央値27.1万円/kWを採用したものであり、これがその後の、2025年度・2027年度入札の想定値にも据え置きされている。
ただし、2026年度入札上限価格の設定に際しては、この「想定値設定」方式を採用せず、「固定価格買取制度からの電源自立化に向けて、発電コストの水準が2030年までに8〜9円/kWh」という価格目標の達成に向けた道筋に沿う上限価格が設定されたため、資本費等の想定値の設定が行われていない(このため、表2の右側では空欄)。
陸上風力の「運転維持費」についても同様に、大規模な案件は効率的な事業を実施できている傾向にあるが、「37,500kW以上」の運転維持費は中央値1.00万円/kW/年であり、2025年度及び2027年度の入札上限価格において想定値として使用された同規模の運転維持費0.85万円/kW/年を上回っていることが確認された。
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