“グリーンウォッシュ”と環境表示規制の国際動向 日本の「環境表示ガイドライン」も改定へ第2回「環境表示のあり方に関する検討会」(2/4 ページ)

» 2026年01月19日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

環境省「環境表示ガイドライン」の概要

 2000年の「グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)」の制定を踏まえ、環境表示を行う事業者等を対象として、グリーン購入の促進に必要となる情報提供のあり方等について整理したものが「環境表示ガイドライン」である。商品・サービス等の環境表示に加え、事業活動やイメージ広告、企業姿勢等もその適用範囲とされている。

 同ガイドラインは、環境表示に関する国際規格 ISO 14020シリーズへの準拠を基本的な考え方としており、ISOでは環境ラベル等を図2のように分類している。

図2.ISOによる環境ラベル等の種類 出典:環境表示あり方検討会

 なお、ISO 14020:1998「環境ラベル及び宣言 - 一般原則」は2022年改定により、タイプI〜IIIの呼称は廃止されているが、本稿では分かりやすさの観点から、新旧の呼称を併用する。

 図2の環境ラベル及び宣言のうち、旧タイプI及びIIIについては、第三者機関がそれぞれの規格に基づく認証プログラムにより運営している。他方、第三者の認証を必要としない旧タイプIIについては、環境主張の内容はすべて事業者等の判断に委ねられており、事業者独自の多種多様なラベル等が乱立し得るため、環境情報の信頼性・透明性の確保が特に重要である。

 このため、環境省「環境表示ガイドライン」は、特に旧タイプIIの自己宣言型表示を対象として、ISO14021(JIS Q 14021)に準拠した適切な環境表示を促進するために策定されたものであると言える。よって、図1の赤色破線で囲んだ部分は、環境表示ガイドラインの対象外とされている。

 現行の環境表示ガイドラインでは、自己宣言による環境主張を行う事業者等に対して、以下の5つを基本項目として定めているが、今回一部の項目については、見直しを予定している。

  1. あいまいな表現や環境主張は行わないこと
  2. 環境主張の内容に説明文を付けること
  3. 環境主張の検証に必要なデータ及び評価方法が提供可能であること
  4. 製品又は工程における比較主張はLCA評価、数値等により適切になされていること
  5. 評価及び検証のための情報にアクセスが可能であること

「グリーンウォッシュ」と環境表示に関する消費者の認識

 消費者庁の調査によれば、日頃の消費行動において「環境に配慮されたマークのある食品・商品を選ぶ」と回答した消費者は2割強であり、環境表示は消費者の商品選択に一定の影響を与えていると考えられる。

図3.日頃の消費行動において意識していること 出典:令和6年度消費生活意識調査(第3回)

 諸外国においても「グリーン」であることが商品の販売促進や企業のイメージアップにつながるようになったが、これを悪用し、一部の企業は実態を伴わずに「グリーン」をアピールする問題も生じていた。このような「うわべだけ環境保護に熱心に取り組んでいるようにみせること」に対して、1980年代から欧米の環境活動家が「グリーンウォッシュ(green washing)」であるとして批判するようになった。

 これを背景として、海外では環境表示の規制強化が進んでいる。ただし、民間アンケート調査によれば、日本国内ではグリーンウォッシュの認知度はまだ2割程度に留まっている。

 環境表示ガイドラインの5つの基本項目に従い、グリーンウォッシュとの批判を避けるためには、図4のような配慮を行うことが求められる。

図4.グリーンウォッシュと指摘されにくい環境表示の例 出典:環境表示あり方検討会

 ただし、グリーンウォッシュ批判を恐れるあまり、環境表示そのものをやめてしまうことは、消費者とのコミュニケーションの観点で本末転倒である。このため、環境表示ガイドラインの改定版では、環境主張に関する海外の法規制の動向やグリーンウォッシュの事例等を参考情報として掲載する予定としている。

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