“グリーンウォッシュ”と環境表示規制の国際動向 日本の「環境表示ガイドライン」も改定へ第2回「環境表示のあり方に関する検討会」(3/4 ページ)

» 2026年01月19日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

環境表示に関する国際的な規制強化の動向

 現在ISO/TC 207では、ISO 14021:2016「環境ラベル及び宣言 - 自己宣言による環境主張(タイプII環境ラベル表示)」の定期改定作業が進められている。

 先述の通り、ISO 14020は2022年にすでに改定され、環境ラベル等の名称が変更されたことを受け、ISO 14021についても規格名称から「タイプII環境ラベル表示」が削除され、タイプI〜III環境ラベルの用語は廃止されることが明記されている。

 今回の改定により、「環境ラベル」とはISO14024準拠の環境ラベル(旧タイプI)のみを指すようになり、旧タイプIIは「自己宣言型環境宣言プログラム」と呼ばれるようになった。

 また現在、国内でも旧タイプIIラベル(第三者検証を受けていない社内環境プログラムに基づくシンボル)を使用する企業は多いと考えられるが、今後はこのシンボル近傍に「このラベルは社内用であり、第三者認証されたことを示すマークではない」ことを明示的に記載することが新たに求められる。

 改定ISO 14021は2026年内の発行が予定されている。環境表示ガイドラインはISO 14021に準拠したものであるため、タイプI〜III呼称の廃止など、速やかな改正が必要とされている。

 欧州では、不公正な商行為を幅広く規制する法として、「不公正取引慣行指令(UCPD)」が存在するが、2024年の「グリーン移行における消費者のエンパワーメントに関する指令」の発効を受け、UCPDが改正され、EU加盟国は2026年3月27日までに指令を国内法化し、2026年9月27日までに適用開始することが求められている。

図5.欧州の環境表示規制強化の動き 出典:環境表示あり方検討会

 UCPDではこれまでも、不公正な取引慣行をリスト化してきたが、今回の改正により、環境表示に関連する以下の行為が追加された。これらはいわゆる「ブラックリスト」であり、いかなる場合も不公正取引とみなされるものである。


  • 認証制度に基づかない、または公的機関によって確立されていない自主的な持続可能性ラベルを表示すること(※1)
  • 製品または事業者が優れた環境性能を実証できないにもかかわらず、一般的で曖昧な環境性能に関する主張(「エコ」や「グリーン」等)を行うこと
  • 製品の特定の側面または事業の特定の活動のみに関係しているにもかかわらず、製品または事業の全体について環境主張を行うこと
  • 温室効果ガスの排出を相殺すること(※カーボンオフセット)に基づいて、製品が温室効果ガスの排出に関して環境に中立的、削減的、またはプラスの影響をもたらすと主張すること
  • 製品分野内の全ての製品に法律で課せられている要件を、事業者が提供する際立った特徴として提示すること

 新たなブラックリストにより、自主的な環境ラベルの使用は不公正取引とみなされるため(上記※1)、今後、旧タイプIIラベルはEU加盟国では使用できないこととなる。

 また、この改正UCPDの詳細要件を規定する特別法「グリーン訴求指令」案の検討が進められている。旧タイプI(日本の「エコマーク」等)は今後もEU加盟国で使用可能であるが、同指令の適用日以降に確立される第三国の公的機関/民間事業者による環境ラベルは欧州委員会の承認が必要となる。

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