一般的に、事業規模の大きさと環境影響の大きさの間には正の相関関係があることを踏まえ、環境アセス法では「規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業」を対象としている。
環境影響の程度は事業のタイプにより異なるため、「面的事業」「線的事業」「点的事業」に分類し、13の事業種類ごとに、土地の改変規模や環境負荷の発生・排出の度合いに応じた規模要件を設定している。
「面的事業」の代表例が土地区画整理事業や工業団地造成事業であり、土地改変面積「100ha」がメルクマール(指標)として設定されている。太陽光発電も主に土地改変面積の大小が環境影響の度合いに違いをもたらすと考えられるため、面的事業の一つと整理されている。
「線的事業」の代表例が道路や鉄道であり、事業による環境影響範囲をその「線」の両側50メートル程度と想定し、これが100haに相当する「長さ10km」を要件としている。風力発電は、良い風況を求めて海岸線沿いや山の尾根上に一列に風車を配置することが一般的であるため、線的事業の一つと整理されている。
また「点的事業」の代表例である火力発電所は、事業から発生・排出される環境汚染物質等の量に着目することが適切であることから、発電出力(第一種事業15万kW以上)を基準とした要件を設定している。
環境アセス上の「面的事業」と整理される太陽光発電事業については、土地改変面積を基準として、「規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある」事業の規模要件を設定している。
先述の表1の通り、多くの面的事業では事業面積100ha以上を第一種事業、またその75%に相当する75ha以上を第二種事業とすることを基本としている。ただし環境アセス法では、発電事業についてはすべて発電出力を規模要件としているため、事業面積を発電出力に換算する必要がある。
太陽光発電事業が環境アセスに追加された2020年当時、100ha当たりの発電出力(交流)は 32〜37MW程度であったが、その後の発電効率向上を見込み、第一種事業の規模要件を40MW(4万kW)以上、第二種事業では30MW(3万kW)以上40MW(4万kW)未満とした。
なお、直近のデータ(2025年11月時点に運転開始済みのすべての事業用太陽光発電)を用いて試算すると(図2)、100ha相当の発電出力規模(交流)は35.5MWに上昇している。
太陽光発電協会の調査によれば、太陽光パネルの変換効率(運転開始時)は、2018年3月は18.7%であったが、2025年1月は22.6%と2割以上の向上となり、さらに2028年4月頃には24%程度に向上すると想定されている。よって、新規案件に限れば、100ha相当の発電出力はすでに40MW程度に到達していると考えられている。
検討会では、他の面的開発事業と異なる太陽光発電事業の特殊性を考慮のうえ、第一種事業の規模要件の見直しを行う予定としている。
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