太陽電池のリサイクル義務化、「50t以上」の事業用太陽電池廃棄者を対象に(1/4 ページ)

環境省・経産省が新たに「「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」の下位法令の策定等に係る検討会」を設置。いわゆる「太陽光パネルのリサイクル義務化法案」の施行に向けて、対象とする太陽電池の種類や重量、具体的な対象事業者の選定基準などについて検討を開始した。

» 2026年11月04日 07時00分 公開
[梅田あおば,スマートジャパン]

 国内の太陽光発電(住宅/非住宅)の導入量は2026年3月末時点で7,860万kWに上る。使用済み太陽光パネルの排出量は2040年代前半にピークを迎え、最大50万t/年に上ると推計されている。太陽光パネルの大量廃棄は最終処分場の残余容量を圧迫し、廃棄物処理全体に支障が生ずるおそれもある。

図1.太陽光パネルの排出量予測 出典:太陽光リサイクル制度小委

 使用済み太陽光パネル(太陽電池)は、これまでも「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)に基づき、住宅/非住宅のいずれも排出者(個人、太陽光発電事業者、解体事業者など)が適正に処理することが義務付けられてきた。循環型社会の実現に向けては、適切なリサイクルを推進すべきであるが、現時点のリサイクル費用(解体撤去、収集運搬を除く)は8,000〜12,000円/kWであるのに対して、埋立処分費用は2,000〜4,000円/kW程度であるため、自然体ではリサイクルが選択されにくい状況にある。

図2.太陽光パネルの廃棄における埋立とリサイクル費用の差額 出典:太陽光リサイクル制度小委

 このため環境省「太陽光発電設備リサイクル制度小委員会」と経済産業省「太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ」の合同会議では、太陽光パネルのリサイクル義務化に向けた検討を行い、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」が2026年5月に成立し、同年6月に公布された。

 同法は、多量の事業用太陽電池の廃棄をしようとする者(太陽光発電事業者など)に、主務大臣(環境大臣及び経済産業大臣)が定める判断基準に基づくリサイクルの実施に向けた取り組みを義務付けている。

 2027年秋〜冬頃の同法の施行に向けては、政省令・告示により、本制度が対象とする太陽電池の種類・重量、「多量」の閾値などを具体的に定める必要がある。このため環境省・経産省は新たに「「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」の下位法令の策定等に係る検討会」を設置し、検討を開始した。

太陽電池再資源化推進法による規制の概要

 「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」(以下、太陽電池再資源化推進法と省略)では、太陽電池の廃棄をするすべての者をリサイクルの取り組みの主体と位置付け、このうち多量の事業用太陽電池の廃棄をしようとする者(表1の③)に対しては、「多量事業用太陽電池廃棄実施計画」の事前届出や、国の判断基準に基づくリサイクルの実施に向けた取り組みを義務付けている。

表1.太陽電池の廃棄者の違いに応じた規制措置など 出典:太陽光リサイクル制度小委

 同法の施行に向けては、本制度が対象とする太陽電池の種類・重量、「多量」の閾値などを具体的に定める必要がある。

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