太陽電池のリサイクル義務化、「50t以上」の事業用太陽電池廃棄者を対象に(2/4 ページ)

» 2026年11月04日 07時00分 公開
[梅田あおば,スマートジャパン]

規制対象とする太陽電池の定義

 太陽電池再資源化推進法において「太陽電池」とは、太陽光を電気に変換する機器(板状であり、かつ、ガラスを材料として使用した部品を含む機器であって、その重量が政令で定める重量以上のものに限る、と定義している。

 また同法では、この太陽電池が廃棄物となった場合にその再資源化などを実施することが技術的及び経済的に可能であり、かつ、有効なものとして政令で定める種類のもの、と定めているため、これを踏まえた検討を行う必要がある。

規制措置とする太陽電池の「重量」

 太陽電池再資源化推進法の趣旨に照らすと、電卓などの製品に組み込まれている小型・軽量の太陽電池は、リサイクルによる最終処分量の低減効果は限定的であるため、本制度では太陽電池の重量の下限を設定することが適切である。

 太陽電池メーカーに対する調査結果や太陽電池に関する市場データによると、2011年以降に導入された太陽電池については、1枚当たりの重量下限が4.7kgであり(図3左)、2010年以前に導入された太陽電池については小型の1機種を除き、1枚当たりの重量下限は3.7kgであった(図3右)。

図3.太陽電池の重量の分布 出典:太陽電池再資源化下位法令策定検討会

 小型・軽量の太陽電池を除く、一般的な太陽電池を可能な限り制度の対象とする観点から、規制対象とする太陽電池の重量は「1枚当たり3.7kg以上」とすることとした。

「素材」で見た規制対象とする太陽電池の種類

 太陽電池再資源化推進法の趣旨に照らすと、規制対象とする太陽電池の種類の設定は、再資源化などの実施の技術性・経済性・有効性の観点から定める必要がある。

 まず、太陽電池の素材に着目すると、シリコン系太陽電池は最も普及しており、今後の多量排出が見込まれ、現時点すでにガラス、アルミニウムなどの分離・回収が行われているため、規制対象とすることが適切である。

 また化合物系太陽電池のうち、CIS/CIGS及びCdTeについては一定の導入量があり、今後の排出量も見込まれ、再資源化技術が存在すること、現時点地域的な偏りがあるものの処理ルートが存在していることなどから、規制対象とすることが適切である。

図4.「素材」で見た規制対象とする太陽電池の種類 出典:太陽電池再資源化下位法令策定検討会

 一方、人工衛星などに使用されるGaAs太陽電池などのその他化合物系太陽電池や有機系太陽電池(ペロブスカイト太陽電池など)は、現時点で普及しておらず、再資源化技術も未確立のため、規制対象としないこととした。

 なお、将来的な技術進展や市場の動向に応じて、規制の対象とする太陽電池の種類などを見直すことが想定されている。

「構造」で見た規制対象とする太陽電池の種類

 太陽電池の構造には様々な種類が存在するが、最も普及している「片面ガラス」構造だけでなく、「両面ガラス」構造や建材一体型についても、再資源化技術及び処理ルートが存在することから、規制の対象とする。

 他方、特殊な構造であるためにガラスの分離が困難な太陽電池(例:ガラス繊維が組み込まれたフレキシブルパネル)は、現時点で再資源化技術及び処理ルートが存在していないため、規制対象とはしないこととする。なお、太陽電池再資源化推進法では「板状」の太陽電池に限定しているため、将来的には板状とフレキシブルの区別定義を定める、又は法改正について検討を行う必要があると考えられる。

図5.「構造」で見た規制対象とする太陽電池の種類 出典:太陽電池再資源化下位法令策定検討会

 なお、廃棄太陽電池の保管に関する特例措置が講じられる「太陽電池廃棄物再資源化等事業計画」の認定事業者は、同計画の認定申請に際して、自社が処理可能な太陽電池の種類を明確化する必要がある。

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