「ほかの人がGTDを実践してくれないだろうか」という悩みを持つ人は多いでしょう。そうした時は、GTD的な考え方をしてもらえるように質問を投げかけることが有効です。
デビッド・アレンさんが来日していた時に面白い話をしてくれました。彼にGTDを学んだ人が「組織にGTDマークをつけられるといいのに」と言っていたというのです。プライバシーマークやISOと同じように、GTDも組織がなんらかの基準を見ている認定基準になればいいと彼は思っているようです。
GTDを実践していると、「あ、この人は頭の中だけでToDoを管理しているな」と気づくようになります。そうなると約束したことがきちんと守られるか心配になり、別途その人のために特別なフォローを考えないといけなくなります。GTDを実践している人にはこうした必要はありません。だからGTDを組織としてきちんと実践しているか認定するマークがあれば仕事がもっと効率的になるのに、と考えたのです。
これは壮大な計画なので実現までもう少し待たなくてはいけないでしょうが、「ほかの人がGTDを実践してくれないだろうか」という悩みを持つ人は多いでしょう。しかしそれは簡単なことではありません。本を読んでください、と薦めても、忙しい人ほど後回しにされてしまうでしょう。ましてや、「すべての気になっていることを整理するために2日ください」といっても即座に却下されてしまうことも想像にかたくありません。
そうした時はGTD的な考え方をしてもらえるように質問を投げかけるのが有効だとデビッドさんが教えてくれました。ミーティングにおいても「まずは気になることをすべて書き出してみませんか」と勧め、ミーティングの最後では「次に取るべき具体的な行動を整理しませんか」と投げかけてみましょう。そうした質問をしていくことでGTDの考え方を組織に少しずつ浸透させていくことができるようになるのかもしれません。
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