GTDを実践していく上で“使える”デジタルツールにはどのようなものがあるだろうか。前回の「check*pad+R*PAD」に続いて紹介したいのが「Remember The Milk」(RTM)だ。
なるべくシンプルに作られている「Check*pad+R*PAD」に比べ、「Remember The Milk」(以下、RTM)はより高度な設定ができるToDo管理ツールだ。RTMにはたくさんの機能が実装されているが、GTDツールとして使うにはどの機能をどう使うべきかだろうか。
どのようなツールであれ、GTDをうまく実践していくためには、
の3点が求められる。以下にRTMでこれらを実現するための勘所を見ていこう。
いつでもどこでもアイディアを書きとめるツールとしてRTMの持っている最大の特徴はオフライン機能だろう。先日発表されたGoogle Gearsの技術を使い、ネットにつながっていなくてもToDoの管理が可能になっている(6月6日の記事参照)。この機能により、ネットサービスの最大の欠点である「オフライン時には作業ができない」を克服しており、ほかのオンラインToDoツールよりも一歩抜きんでている。
また、RTMの特徴の1つは細かい設定が可能な点である。ToDoを設置する際には期限、繰り返しの頻度、見積もり時間、タグ、場所等々、実に細かい設定が可能だ。ToDoを書き出したはいいが、簡単に書きすぎて「これってどういうことだったかな」と思い悩むことがなくなる。また、設定項目が多岐にわたると混乱しがちだが、それぞれの項目を入力する際にはヘルプが表示されるので迷うことがないだろう。
さらにRTMでは期限などの設定には自然文入力を採用しており、日付を直接入力しなくても「明日」「明後日」といった指定をきちんを認識してくれる。慣れてくればささっとToDoを追加していくことができるだろう。
またオフラインでの更新が可能とはいえ、いつでもPCを開けるわけではない。そこで利用したいのがメールでToDoを追加できる機能だ。RTMに登録すると項目追加用のアドレスがもらえるので、そこにメールすればToDoを追加していける。電車の中や歩いている途中など、携帯メールだけでToDoを追加していきたいときに便利だ。
次に必要なのは、いつでもどこでも自分のリストをレビューできる機能。この点に関してもRTMはいくつかの機能を提供している。
まず前述のオフライン機能が便利だ。ネットへの接続がなくても自分のリストをいつでも見直すことができる。またPCが手元にない場合でもモバイル版が提供されているので、携帯から見直すことも可能だ。移動中にリストを見直すことにより、優先順位を意識しながら作業の計画を立てることができるだろう。
さらにRTMは設定したToDoをRSSやiCalの形式に変換してくれるので、自分が使い慣れたツールからToDoを見直すことも可能だ。RSSリーダーを使ってブログチェックの合間にタスクを見直したり、Google CalendarにToDoを重ねて表示させることなどもできる(2006年11月28日の記事参照)。いつも使っているツールにRTMのデータを流し込むことにより、自分がすべきことを常に意識しておくことができる。
またRTMではToDoの設定を細かくできるので、さまざまな角度からリストの見直しが可能だ。優先度、期限、場所、タグなどの切り口でやるべきことを見直していくことができる。GTDのリストの使い方の1つとして「○○へ行ったらやることリストを作りましょう」というものがあるが、RTMではGoogle Mapsと連携することにより「ここに行ったらこれをやろう」を管理していくこともできる(2006年9月4日の記事参照)。
最後にRTMのリマインダー機能を見ていこう。GTDでは信頼できるリマインダーを設定することがとても重要だ。リマインダーがなくては頭の中が「やらなくてはいけないこと」でいっぱいになり、ストレスが生じてしまうからだ。
RTMのリマインダー機能もほかの機能と同様にかなり柔軟に設定できる。期限のついたToDoに関しては「期限○分前にメールをする」といった細かい設定も可能だ。
またメールだけではなく、SkypeやGoogle Talkなどのメッセンジャーにも対応している(2006年7月26日の記事参照)。メッセンジャーを常用している人にはメールよりも便利な場合があるだろう。
高機能なToDo管理ツール、RTMをGTD的に使うための機能を紹介してきた。ToDoを細かく設定して管理したい人には便利である。また2007年6月からRTMの日本語版の公式ブログも登場した。こちらも併せて読みながらうまく使いこなしていくとよいだろう。
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