「中途社員がどれだけ入っているか」
つまり、全社員のうち中途入社の社員が何割くらいいるか、はその会社の雰囲気や仕事のやりやすさを計るうえで、とても参考になります。
転職者は、少なくとも1社は別の会社を経験し「他の会社」のやり方を知っています。前の会社のいい点は、当然今の会社にも導入しようとします。また、今の会社で非効率な仕事や無意味な仕事があれば、「前の会社ではこのようにやって効率的だった」と経験を生かして改善することができます。これが大事です。
中途入社が少ない会社では、自分たちのおかしいところを指摘してくれる人がいません。仮に無駄な作業や非効率な会議があっても、だれもそれに疑問を持たず、それを「普通」と考えて続けている可能性があります。
どんなに大きくてきれいな湖でも、水の流入が止まればやがて淀んだ汚い湖になります。それと一緒で、外から新しい人材が入ってこない会社は、自分たちのやり方を顧みず、やがて淀んでいきます。
新入社員をいくら採用していても、中途社員をとっていなければ「流入」していないのと一緒です。よほどの人材でなければ、新人のうちからその会社の業務改善点や非効率な個所を指摘し、改善するように行動していくことはできないでしょう。
どんなに優秀な社員がそろっていても、どんなに売れるヒット商品を持っていても、「外部」から新しい風を入れて自分たちを見直していかなければ、組織が古臭く時代遅れになってしまいます。
だから「中途入社の社員数」は重要なのです。気付かないうちに時代遅れで非効率なやり方をしている企業よりは、自らのやり方をつねに検証している企業のほうが好ましいに決まっています。
もちろん、これがすべてではありませんが、中途入社が異常に少ない会社や部署では、知らず知らずの間に、非常に変な仕事スタイルになっていることもあり得ると考えたほうがいいと思います。
社員数が増えていること、中途入社者を多く採用していることは、「働き心地」に大切
な要素。
(次回は、「なぜかお金が増えない安月給の人の思考法」について)
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