連載
» 2014年01月29日 11時00分 公開

ストレスをためない技術:ストレスを書き出すことで自分の頭を空っぽにする

不安や苛立ちなど「気になる要素」が頭にあると、「気にしない、気にしない」と自分では言い聞かせるのに、ついまた思い出してしまう。そんなときに試してほしいのが「とにかく紙に書いてしまう」ことです。

[松島直也,Business Media 誠]

集中連載『ストレスをためない技術』について

 本連載は、2012年2月16日に発売の松島直也著『ストレスをためない技術』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。

 ストレスは、決してなくならない。ストレスはできるだけ感じたくないものです。けれど、世の中からストレスは決してなくなりません。一歩外に出れば、さまざまなことがストレス要因となり、あなたを襲います。自分だけが「安全地帯」に逃げ込むことはできないのです。

 大事なのは「ストレスをなくすこと」ではなく、「どう付き合うか」を知ることです。本書では、NLP(神経言語プログラミング)の専門家である著者が、ストレスとの正しい付き合い方を紹介します。


 不安なことがいくつもあって仕事がなかなか手に着かない。そんな人も多いでしょう。たしかにこれは大きなストレス。別の仕事をやっていても「あれは大丈夫かな」と常に気になって効率を落としてしまいます。

 同様に「イライラする要素」を持っていると、そのイライラが頭の中に何度も浮かんできて仕事の邪魔をします。

 例えば、腹の立つ同僚がいると無意識のうちに「何だよ、アイツ!」「何で、あんなヤツがプロジェクトリーダーを任されるんだ!」といつも考えてしまい、自分の仕事に集中できない。そんな経験はありませんか。

 不安や苛立ちなど「気になる要素」が頭にあると、どうしても意識が引っ張られ、ストレスも増加してしまいます。「気にしない、気にしない」と自分では言い聞かせるのに、ついまた思い出してしまう。たいていそんなものです。

 そこで試してほしいのが「とにかく紙に書いてしまう」という方法。簡単で効果は絶大。とてもお勧めです。書き出す際のルールはたった1つ。「何でも、躊躇(ちゅうちょ)なく書く」ということだけ。例えばこんな感じです。

  • プレゼンの資料を作らなきゃいけない
  • ちょっと体調が悪い
  • 同僚の○○が気に入らない
  • 上司が目の前にいると、プレッシャーに感じる
  • メールがたくさん来て面倒
  • 今日は暑くて、しんどい
  • 夜の飲み会が楽しみ
  • ランチは中華にしよう

 仕事に関することだろうが、プライベートだろうが関係なく、思いついたことをひたすら書くことがポイント。不安要素、気になること、辛いこと、楽しみな予定など何でも構いません。自分の頭に浮かんだ事柄を、思考停止状態で紙に映し出す。そんなつもりで、ためらいなく手を動かしてください。

 やってみると分かりますが、この作業を何十分も続けられる人はまずいません。たいてい5分くらいで「気になること」をすべて書き終えてしまいます。不安要素の大小はあったとしても、数にするとたいしたことはありません。

 私も頻繁にこの作業をやっていますが「何だ、この程度か」といつも思います。ですが、この感覚がとても大事。頭の中だけで考えていると、不安要素はまるで無限ループのように何度も浮かび上がってきます。するとその不安要素はどんどんふくれ上がって、ものすごくパワフルなものに感じられてきます。

 ところが、それを書き出して目で見て確認してみると、単なる要素の1つに過ぎません。その客観性、距離感が大事なのです。

 「気になること」をすべて書き出したら、今度は整理に入ります。整理のポイントは2つ。それは「自分ではどうにもならないもの」と「今、心配しても仕方ないもの」を見つけることです。

 実は「気になること」の中には、この2つが大量に含まれています。「プレゼンの資料を作らなくちゃいけない」という不安要素にしても、プレゼンが再来週の週末ならば、「これは来週考えればいいや」というところに落ち着きます。まさに「今、心配しても仕方ないもの」。

 「同僚の○○が気に入らない」「上司が目の前にいてプレッシャーを感じる」というのは「自分ではどうにもならないもの」に含まれます。もちろん、そんなことは初めから分かっています。あなただって「考えても仕方がないことで、ウジウジ悩んでいる」ことくらい、分かっているはずです。

 ですが、その「わかっていること」をしっかり事実として受けとめて、自分の中で整理をすることがむずかしいのです。そこで「とにかく書き出してみる」というアプローチが威力を発揮します。

 目の前に広がっている事柄を整理していくと、「今、自分がやらなければいけないこと」がはっきりして、気持ちが落ち着いてきます。不安の多くは「何をすればいいか分からない」あるいは「それが決まっていない」ことに起因します。やるべきことがたくさんあっても「今、自分がやらなければいけないこと」がはっきりすれば、よい集中力が戻ってきます。

 そして、最後にもう1つ。

 書き出したものを整理すると「自分ではどうにもならないもの」「今、心配しても仕方ないもの」がたくさん見えてくるので、それを書いた紙を実際にシュレッダーにかけてください。

 たいていのオフィスにはシュレッダーが1台くらいあるでしょう。いらないものは実際に裁断してしまうに限ります。「自分ではどうにもならないもの」「今、心配しても仕方ないもの」は今すぐシュレッダーにかけてしまいましょう。目の前でシュレッダーに吸い込まれ、破棄されている場面を見れば、「ああ、これは考えなくていいんだ」と、気持ちが新たになります。

 ぜひここまでやって、状況と気持ちの両方を上手に整理してください。ちなみに、この一連の作業をやってもかかるのは15〜20分程度。仕事が手に着かずにウダウダと悩んでいる時間を考えれば、実に効率的です。

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